沖縄意見広告運動が第11期へ
1.17 大阪でスタート集会開催
- 2020/2/21
- 市民運動, 沖縄問題
- 沖縄意見広告運動, 沖縄意見広告運動(第11期), 辺野古
オール沖縄とともに辺野古新基地阻止へ
安倍政権は、破綻した新基地を断念すべきだ

1月17日、エル大阪南館で、沖縄意見広告運動の第11期のスタート集会が開催された。沖縄現地では辺野古新基地建設・埋立て工事を許さない闘いが続いている。 沖縄意見広告運動は、「基地のない沖縄、そして日本」を希求し、「辺野古埋め立て―新基地建設工事即時中止・断念、普天間基地即時閉鎖・撤去、米海兵隊は撤退を!」の意思を全国紙に意見広告として掲載することで示し、安倍・トランプ両政府を包囲し、声をあげ行動してきた運動だ。
運動開始以来10年の節目となる今期は、国内においては 昨年の1万8000件を上回る賛同件数獲得の目標を掲げ、新たに米国をはじめ世界の世論を喚起すべく「英文サイト」開設による海外への運動展開にもよってさらに運動を飛躍させようとしている。
第11期沖縄意見広告の成功を願い、スタート集会の概要をお伝えする。
沖縄を「戦場(いくさば)」にする米軍の新対中戦争戦略に追随する安倍政権

最初に「辺野古へカヌーを送る会」で沖縄意見広告運動全国世話人でもある山口千春さんが主催者を代表して開会のあいさつを行った後、同じく全国世話人でもある「ヘリ基地建設反対協議会」共同代表の安次冨浩さんが現地から駆け付け闘いの報告を行なった。
冒頭、「ゲート前座り込みも2000日を超えた。座り込みや安和港前での毎日の闘いによって、最初に土砂が投入されてから1年が経過するも埋立てはいまだに1%しか進んでいない。年明け早々、河野防衛大臣も工期5年の予定が立たなくなり10年へと延長すると発表した。県民の闘いは衆議院選挙、県知事選挙、衆議院補欠選挙、参議院選挙、ことごとくに反対派が勝利し、県民投票でも圧倒的な反対の意志を示して来た。沖縄の民意は全く揺らいでいない」と、力強く報告した。
そして「このような闘いが継続する中、沖縄の闘いを組織をあげて連帯し支援して来た連帯労組関西生コン支部がいま、大弾圧を受けている。これは沖縄への弾圧でもある。安倍政権はもはや独裁体制。それに逆らうものは関西生コンや沖縄の闘いなどのように容赦無くつぶす。じっとしていれば、いずれナチスにやられたようにつぶされてゆく。関西生コンを支援しよう!」と訴えた。

また、 安次冨さんは、いま沖縄本島のみならず、奄美から石垣、宮古、与那国に至る南西諸島一帯に自衛隊が基地を建設しミサイル部隊、警護隊などを移駐している事実を指摘した。中国との戦争に備えたアメリカの軍事戦略に基づくもので、日米両政府は沖縄島をキーストンにした「オフショア・コントロール戦略」を着々と展開している。
これは海上で中国船の航行を封じ込め、軍艦などの航行を阻止するもので、琉球弧での対中海洋限定戦争を意味し、辺野古新基地建設計画もこうした戦争戦略に組み込まれている。日米両政府の狙いは、米国の新対中国戦争戦略の下に、沖縄地域全体を前線基地化し、自衛隊が米軍と一体となって戦争し、沖縄の島々はまたしてもその「戦場(いくさば」になる。これを阻止しなければならない、と怒りを込めて訴えた。
途方もない時間と費用を浪費しても新基地建設はもはや不可能だ

その後、全国世話人でシンガーソングライターの川口真由美さんが魂のこもった歌をうたい、会場を熱気が包んだ後、同じく全国世話人で参議院議員の伊波洋一さんがスクリーンを使って新基地建設の実態を暴露した。
例えば関西空港は埋め立て開始から50年で12メートル沈む予定が25年で13メートルも沈んだ。大浦湾は軟弱地盤で山も谷もあるので沈下の度合いが均等ではない。計算では供用開始から70年間で50センチくらい沈むとしているが場所によって沈み方が違う。陸地がわは沈まないが湾の側は沈むのでジャッキで持ち上げる。そんな空港が軍事空港として成り立つか、と。
また、普天間飛行場は陸上にあるので滑走路が壊されてもすぐ修復できる。ところがコンクリートの塊をジャッキで持ち上げるような複雑な構造の辺野古新基地は、軍用飛行場としては成り立たない。こういうことを専門知識のない大臣や政府関係者は分からない。
そこで昨年12月25日に委員会を開いて技術検討会をやった。政府の資料によると、「サンドコンパクションパイル工法」という、砂の杭を打ち込む最もお金のかかる工法で、砂杭の数を23000本減らして、護岸側を「ペーパードレーン工法」に切り替え、9300億円に抑えた。減らさなければ1兆何千億円かになる。
1兆円あれば500億円の飛行場を20個も造れる。1兆円もかけて欠陥飛行場を造るのか。仮設工事も最初の107億円から2000億円に増えている。警備費に1700億円 もかけている。それだけあれば飛行場が3つ造れる。そのあと地盤改良のための護岸と埋め立て工事で3000億円かかる。
予測の立て方もずさんで、彼らは去年7月まで「護岸は沈下しない」と言ってきた。ところが今は1・3メートル沈下すると訂正した。また埋め立て開始から10年くらいは沈下が進むので、そのあとで土壌が安定したら供用開始すると言っているが、安定する保証はない。修復費用がさらにかかり、 ひょっとすると1兆円どころか2兆円になるかも知れない。
もはや辺野古新基地建設は破綻しており、不可能なのだと、と伊波さんは語った。
埋立て用土砂の採取搬入は沖縄の生物環境を破壊する

最後に全国世話人で元衆議院議員の服部良一さんが閉会のあいさつに立った。服部さんは、辺野古の埋め立てに使う土砂は2062万リューべ(立方メートル)。それをヤマトから持ってくれば外来生物が入ってくる危険があるので全量を沖縄から調達しようとしていると述べた。軟弱地盤の強化にはさらに650万リューべ必要で合計2700万リューベになる。
海の砂には魚が卵を産む。また砂は台風などの時に波を干渉して護岸を守る。この2700万リューベもの海砂を沖縄全土から採るとなると沖縄全体の甚大な環境破壊を招き、やってはいけない事だと訴え、第11期の沖縄意見広告運動の取り組みに、参加者皆さんがともに賛同し、安倍政権の沖縄への暴挙を阻止しようと訴えた。
沖縄から出発する全国キャラバン第1波もスタート
なお、このスタート集会において、全国世話人である全港湾関西地方大阪支部の小林書記長から恒例の活動となった全国キャラバン計画も公表され、キャラバン活動への会場カンパが呼びかけられた。そしてスタート集会直後の1月20日、沖縄出発の第1波のキャラバンの活動もスタートした。
キャラバン日程など詳細は次号(関西・H)