新年労働者座談会<上>「関西生コン支部弾圧事件」の背景と本質、労働運動再生と反撃の展望を語る

2019春闘パレード
2019春闘パレード

座談会掲載にあたって
 連帯労組関西地区生コン支部への戦後最大の国策弾圧は、2017年12月ストライキ以降、2018年より1次2次弾圧で89名拘引、実数57名逮捕され、今なお武委員長、湯川副委員長の長期拘留が続いている。だが、関生の闘いに対する全国的規模での支援運動が拡がり、その中で逆に「カンナマってなに?」と関生型労働運動への理解も広がり、その不屈の姿を通じて現場で闘う人々を励ましている。
 この大弾圧はどのような背景があるのか。これまでの弾圧にない新しい特徴は何か。そしてこの闘いは日本労働運動の再生にとっていかなる課題を問うているのか。
 こうした問題意識に立って、2019年末、この闘いの最前線の現場に立ってきた3氏に、弾圧の実態と状況突破への道筋、今後の課題について語っていただいた。座談会は長いものとなり、紙面の都合上、2回に分けて掲載する。なお、司会進行のコメントは太字で表記しています。(文責・ コモンズ編集部 )

出席者(敬称略)
発言:武 洋一(連帯労組・関西地区生コン支部書記長)
   西山直洋(同執行委員)
   小林勝彦(全日本港湾労働組合 関西地方大阪支部書記長)
司会:仲村 実(管理職ユニオン関西 書記長)

1、大弾圧の背景、その狙い、本質をどう見るか。

「関生潰し」にかける凶暴な権力意志剥き出し
検察・司法・公安総がかり…戦後最大の弾圧

仲村実さん
仲村実さん

――司会:仲村実 この間、連帯労組関西地区生コン支部(以降、関生支部)は労働者の賃金や労働条件向上のために、その産業政策運動として<中小企業の経営者 と協同組合>との連携を進め、中小企業間の過当競争を抑制する事業協同組合化の実現によって、セメントメーカーやゼネコンなど大企業との対等取引を求め<生コン業界の民主化>を図ってきており、相応の成果を上げてきました。
 大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協)も一つの成果の現れだと思うのです。ところがその大阪広域協の4人の幹部が、関生支部の近畿一円に広がった成果やその影響力を絶ち切って、己れの利害・利益を守ろうとして、2017年12月のストライキを口実に大弾圧が始まったと認識しています。今回の大弾圧をどのように見るかについて、まず洋一書記長の方から話してください。

大資本との対等取引ほか中小で進む自立化
~業界民主化を憎悪する敵資本による総攻撃(洋一)

武 洋一さん
武 洋一さん

洋一書記長  弾圧の根本にあるのは、業界を労組主導で中小企業を協同組合化して、適正価格の収受、品質保証、安定供給を実現し、関連企業における労働者の高いレベルの賃金・労働条件を獲得し、中小企業と労働組合が協力・連携して民主化するという関生支部の産業政策運動(関生型産別運動)を、今の社会の中で(彼ら資本としては)絶対許さないという事ですね。

 これは昔から、関生型運動は<箱根の山は越えさせない>*と言う事で…当時の日経連の大槻文平会長が敵対してきた歴史もあり、取り分けいま大阪広域協なり、あるいは和歌山だったり奈良だったり京都とか大津も含めて、近畿一円の生コン関連業界がどんどんと民主化されている訳ですよ。これは、絶対許したくないと…。

「大槻文平発言」…関生支部80年代の産業別運動の前進にセメントメーカーは恐怖と危機感を募らせた。当時日経連会長の大槻文平(三菱鉱業セメント会長)の「関生支部の闘いは資本主義の根幹に触れる運動で絶対に許さない」との号令のもと、セメント協会と大阪府警に「関生支部弾圧対策プロジェクト」を発足させ、ここで有名な「関生運動は箱根の山を超えさせない」と言う歴史的発言となった。

 関生支部への弾圧は、いつも中小企業への政策運動(協同組合化)が拡大した時期に重なります。この10年来混乱を極めていたが、2015年にはわれわれ労働組合の多大な貢献で、ほぼ100%に近い大阪・兵庫の生コン業者が大阪広域協に加盟し、低迷していた生コンクリート値段も戻り、その果実たる利益をみんな等しく業界に還元せよと求めていた。

 それで2017年12月にその要求貫徹と生コン業界の川下にあって長く下請けとして圧迫されて来た生コン輸送社とセメント輸送社の苦境打開を訴えて、ストライキを打った訳です。広域協4人組が私たちに牙をむいてきたきっかけは、このストライキもそうではあるが、結局はそのストライキに入る前のいろんな取組み…特に16年12月に決めた「6項目の提言」ですよ。

協組牛耳る大企業直系幹部の利権構造を糾す
自滅必至の広域協組「4人組」  (洋一)

 6項目(提言)*の話は聞かれた事があると思うのですが、運営上の問題で協組員を恫喝するとか労働組合との対決姿勢など辞めろと…そういう事をずっと言って来ていた。それが彼らからすれば、自分の利権が奪われると思い嫌なんです。だけどその嫌な事を隠蔽するために、17年春闘で約束した運賃引き上げの労働組合との約束を反故にし、組合の切り崩しにかかってきた。その約束の実現を要求して、先ほど言った17年12月のストライキがあるわけです。

 私はこの弾圧の根本は、資本・権力が私たちの産業政策による協同組合運動で、労働組合と中小企業が団結し大資本に対抗しモノを言う構造を(彼らは)絶対認めないという事で間違いない。権力は、こうした運動をつぶしたい。今回そこに現在の広域協の「4人組」といわれる一部幹部が乗ったという構図です。

「6項目提言」…(1) 労働組合と良好な協力関係築く。(2) 協同組合の品位を汚さない。(3) 理事職は公人職であり、私的利益は慎む。(4) 生コン経営者会への全社加入。(5) 労使の協力関係を内外に公表する。(6) ミキサー・セメント輸送運賃を引き上げる…など6点にわたる関生支部発信の課題・提言をさす。

 これまでも協同組合を分断して来た歴史はあるが、今回は、なぜ広域協じゃなしに先に関生支部をつぶしにかかってきたかというのは、資本・権力が彼らなりに研究したから。

 1980年代、2005年など過去2回の大弾圧では、業界そのものを潰しにかかった…集団交渉という形式を解体したり。しかし2ー3年すればもう私たちが再建している…関生型運動として中小企業運動を再建してきている。…広域協は簡単に潰せるのです実際はね。それで、2ー3年で再建される事になるよりは関生を叩いて10年間あるいは15年間ぐらい業界の民主化や協同組合の再建がなされないように徹底しなければならないというのが現実的な向こう側(敵資本)の考え方だと思う…。

 こうして資本と権力の弾圧に乗った広域協は、18年1月に「威力業務妨害・組織犯罪対策本部」を設置し、併せて差別・排外主義者を引き入れ、権力と一体となって関生支部への攻撃を本格化させたのです。

 この広域協「4人組」の間でも利権をめぐって対立・矛盾があり、必ず内部から崩壊し、今は関生潰しで重宝がられているが、いずれゼネコンから捨てられる運命ですよ。

異常違法…露骨な警察捜査による関係者恫喝
労組法も踏みにじる安倍政権下の公安の姿(西山)

西山直洋さん(連帯労組)
西山直洋さん

西山執行委員  簡単に言えば、業界との関係が安定して、まさに先ほど言っていた大企業との対等取引…それが上手く円滑に関西一円に広がり進んで行きだした…。また同時に状況が安定しているからこそ、関生は安倍政権の強行する沖縄の辺野古新基地阻止や改憲問題、韓国連帯など政治的な闘いを色々幅広くやってこれた。それを一層力を入れてやっていけるようになって来た矢先だったという事からすれば、権力側はまさに「目の上のたんこぶ」というような見方で、これを機に弾圧すると言うのが今回の弾圧じゃないかなと…。

――小林さん2017年の12月のストライキには全港湾の生コン関連の分会参加しますよね。なのに、なぜ今回の弾圧関生支部のみに集中してのか、今回の弾圧をどう言う風に見ておられますか。

ストライキは当たり前の組合活動
運動の拡大恐れた関生潰しの資本・国家の思惑(小林)

小林勝彦さん
小林勝彦さん

小林書記長  まず、今の世の中で、本当の意味の労働組合が幾つあるのか?…そういった中で、私たちは関生支部と政策共闘を結んで、今回のストライキも2017年に貫徹された。しかしその際、共闘の中で、労働組合でありながらそのストライキが出来ない労働組合が出て来た。そこにこそ問題がある。私たちはストは単に、労働組合の権利の一つを行使したまでの事と考えています。

 にもかかわらず、こういう弾圧が繰り広げられるという事は、まさに今の…国家の思惑です。要は、 (この関西の当たり前の労働組合運動を)広げたくない。
 …例えば先ほどから洋一書記長なり、西山氏が言われているように、関西で始まった関生の産業政策運動…これが全国に普及するのをとにかく敵資本が怖れている。

 一方全港湾は、全港湾だけではなくて全国港湾と言う巨大な共同体の中で、全国に私たちの運動が行き届いている。…という事は、関生へのこれら弾圧は全国になかなか広がりにくいが、ところが全港湾にやれば全国に闘いの火の手が広がると。まさしく、そこを推し量った国家の弾圧です。

 そもそも…全港湾も関生もやってる事は同じなので、このストライキが問題であるのならば、なぜ(全港湾に)何の事情聴取もないのかと。まさに今となってみれば、完全に<関生潰し!>に走っているというのが、この時点でこのストライキと弾圧に関して私の見解です。

2、〈共謀罪の先取り〉といわれる新しい特徴を持つ大弾圧

現場での具体的な実態は

――関生の運動を関西に閉じ込めておくだけではなく、労組丸ごと潰してしまわないと(影響力が)全国波及することへの、敵資本・国家の恐怖が組織を壊滅させる弾圧となっていると。ここが弁護士や多くの学者が言う戦後最大の<共謀罪の先取り>的大弾圧の背景であり、本質的な特徴ということですね。実際現場での体感はどうなんですか?

洋一書記長  労働組合の組織活動は、やっぱり共謀なんですよ…どうであれ。例えば会社に営業政策をするのに議論してああしようこうしようと選択をする訳でしょ。組合の事業として賃上げ原資を勝ち取ろうと言う事で当然ストライキを打ちますよと、協議するのは当たり前なので…組織なんだから。ストライキもそうだし…それが駄目だとすればもう労働組合の組織なんて存在できない!だから、そこを彼らは巧妙に利用してる訳で、組織を一掃してしまおうという事でね。

 今回の、大阪の1次、2次で分けて…当日現場に行ったメンバーと、その他行っていない(武)委員長も含めて、拘留・引っ張って行った。それを<共謀罪>でやってくると言うのは、そもそも間違った口実だと思う。彼ら権力は、先ほど西山さんの話にあったように、関生支部が政治的課題を避けずに真正面からそれら課題をひっさげて闘っているからだと言う。洞爺湖サミットにミキサー車も来たなとか…沖縄の辺野古新基地建設阻止の現場にもミキサー車が抵抗する市民への応援で来たとか。それは彼ら権力側からすれば…やり過ぎという話です。

 …で、冗談話で今年の大阪サミットの前日に、生コン会館に<トランプ帰れ>とかの看板を出すんじゃないだろうなと公安筋は言ってる訳です。政治課題とは単に経済闘争だけじゃなくて、非正規の要求課題まで含んでいるし、産業の民主主義化といった事も、それは政治的な社会運動でもある訳です。だから、単にストライキがどうのこうのじゃない。その前に政治的な社会的な課題もひっさげその闘いの先頭に立っている。…それは国際的課題も含めて、私たちは韓国とも交流するしアジアとも交流するする、彼らからしたら絶対許されない所です。

つまり、99%が中小企業が占める日本の産業構造の中で、労組主導でその中小企業を競争から共存・共生の方向へ協同組合化し大企業と対等取引を求め、産業の民主化だけでなく、政治の民主化を求めるような闘いが、関西一円から全国の中小企業と労働者に拡がればどうなるか。アメリカとともに戦争国家の道に踏み出し改憲を悲願とする安倍政権にとって、ストライキを辞さずに戦争政策などに抵抗し政治課題を闘う労組は潰してしまえということですね。そのために、安保法制と一緒に強行成立させた「共謀罪」が使えないか、あの手この手で試している。

西山執行委員  共謀罪制定時に市民団体、労働組合には適用しないという事例もあげて何回も議論してきた事がまさに今回事件化されている。…ストライキ裁量業務妨害でね。要求を挙げたら、それは労働組合として当たり前だけど「未払い賃金」や「解決金」を勝ち取ったら<恐喝>だと。それがもう露骨に見える…だからこそ共謀罪の先取りだなと…こんな事を普通に許していたら、将来的に労働組合がやらなくてはいけない活動など、もはや出来ない。だから今回の弾圧は共謀罪の先取りだ、言われてると思うのです。

 これはもう大阪府警のみならず、滋賀、京都、和歌山…いま事件を作られてる所全てに共通しているとい事になります。

関生支部55年の歴史の中で
これまでと違う弾圧の質

――今回は89名逮捕され実数逮捕者57名で、労働運動だけではなくてもこれだけ大量に逮捕されているは戦後最大であると思えます。関生支部の55年の歴史の中で、例えば80年代の弾圧と今回弾圧と比べてどう違いますか。

洋一書記長  関生の歴史の中で80年代は、まだ逮捕者がおそらく30か40人だったと思うが、当時も業界も結構揺さぶられたんだが、今回の弾圧は徹底して業者を揺さぶっている。昔は労働組合がストライキを打ったら、ストライキの企業に各企業が援助金を出していた。今回は、大阪広域協が、連帯系(の企業と労働者)を切るという話で、これは以前と明確に違うところ。今回はもっと深い。

 なぜかというとわれわれが進めていった産業政策を彼らが逆にそれを使って関生支部をたたく。どういうことかというと、(協同組合に参加しない)アウト企業をたたけと私らは言っていた。だけど彼らは、われわれのとった戦術を巧妙に乗っ取ってしまって、関生支部を外すというやり方で…。

 権力弾圧は私ら(労働組合)はそんなに苦にならない。やっぱり関生の関係する企業をたたく、あるいは刑事弾圧を受けた労働者は即解雇するというのは、今までとかなり違う状況だ。例えば組合専従は認めないとか、その監視のため各企業を8名で回っている、大阪で。本当に各企業を回って特に労使関係があったであろう企業について、…京都の業者とかには毎日ついてる訳で、警察が。経営者を監視している。動きが取れないくらいに。

 一方的にやられてるという状況は、それこそ連帯系と言われる所に目をつけ、その企業そのものを揺さぶっていく…この構図ですね。言い換えれば、関生と連携し歩調を合わせるような所については、企業ごと潰してしまう…あるいは外してしまうという酷い現状だ。

 だから、先ほども言ったように、業界が権力と一体になってやっていると判断する。これまでは弾圧は直接には組合本体だけで、労働組合と連携している連帯系の中小企業にまで弾圧はなかった。

――ひどい場合はもう倒産させてしまう労組がどうと言うよりも…会社を丸ごと潰してしまうという事まで出てると。その意味で単に逮捕者の数だけでなく、大量逮捕し起訴し、業界の広域協が表に立って関生関連の経営者を叩き、なおかつ労働者に仕事与えない…こういう形で「労組主導」の本体の労働者の生活そのものを、労働組合がよく言う「兵糧攻めする弾圧が前面に出ているということですね。

洋一書記長 そう言う事ですね。

―組合活動については、これまでとどう違うのですか

明らかな労組分断攻撃
労働委救済命令前に刑事弾圧
4府県警察連動に見る権力意志(西山)

西山執行委員 今回の警察が行う不当労働行為は、あまりに露骨すぎる。これはつい最近出た大阪府労委の命令で見てもすぐ判るように、労働委員会の命令=救済命令が出たというのを、救済命令が出る前に刑事弾圧する訳ですよ。
 だからものすごく露骨だし、簡単に言えばわれわれの方針が<正しい>から、相手がそうやって攻撃を露骨にして来ると言うのが、鮮明に言えるのかと思います。

 もう一つは、組合員に対しては明らかに分断攻撃を…「労働組合におったら釈放しないぞ」とか、家族に対して組合を抜けさせるように説得しろとか、そんな事を警察がやってる訳です。だからはっきり露骨過ぎるなと、それも一つの県警がやるのではなくて、近畿一円の各警察が連動してやっていると言えますね。

3、大弾圧から見える労働組合運動の問題点はどこに

――労働組合<要求>を出し、団結するというのは、一人ではなくて集団でやるわけで、そしてストライキで力を発揮して、労働協約とか結ぶわけです。今回の弾圧では、威力業務妨害とか、強要、強要未遂とか言ってるが、古い話持ってきて<事件>であるかのようにでっち上げて、これまでの協約を事実上一方的に破棄してる状態だと思うのです。そういう点で全港湾の戦いとも含めて、どう言う風に感じておられますか?

小林書記長 一言で言えば、私から見たら…今の関生支部への弾圧そのものに、私たちが考えさせられますね。…初心に戻らないといけないと。初心に戻ってやっぱり労働組合とは何なのか?それを私たちが実践できているか。…各組織がね。

 それを振り返った時に、気づかされる事って多くありますよね。全港湾は長い歴史の中で産別労働運動を提唱してきたが、ある意味外敵が少なくなってる現状なんですよ。出来上がってしまっているから…。

 先ほども言ったように、全国的な組織になった。で全国港湾と言う港を、ある意味牛耳ってるわけですよ。その中の一員として、また中心的な立場として存在しているという所が、結局は外敵がなくなってるという事なんですよ。

労働組合って何なのか、初心に戻って考える
日本の労働組は、今、何が起きてるか判っていない。(小林)

 労働組合にとって、外敵がなくなる事は、やっぱり衰退していくんですよね。
 関生支部はまさに私たちが60年以上も前に展開した運動を進行形として持続させている…という事は、外敵が多いんですよ。なぜかと言ったら、世間でそんなに活動してる組織はないんです、いま現に闘っている組織が。

 ユニオン系であったりとか、少数部分は一生懸命頑張ってはいますが、目立って大きく活動してる所はそんなに存在しない。そこを潰しに来てる…。それを世間が理解していない。そこに大きな問題点がある、今何が起きてるか?判っていない。

 労働組合は、先ほどからも話されているように、要は<刑事免責>があって、私からしたら、これが刑事でなぜ裁かれねばならないのかという所があって、そこを警察権力もまた司法も分からずに、土足で入ってきてるんです。これは、今後、労働組合であろうとも、警察権力が抑えるのだと言う意思表示ですよ。

 それを日本の労働者、また日本の労働組合が判ってない。そこに大きな問題点があると、私は強く感じていますね。

 ――労働組合の根本的活動を否定するという攻撃なんですよね。

小林書記長 やっぱり大きな違いは、労働三権の一番重要なストライキ権…ここを行使しないから、 ほとんどの労働組合が。交渉権、団結権は行使します、でもストライキ権までは行きません。世の中そう言う風潮になっているので、ストライキをする事が「悪」になってしまっている事が重大な問題なんですよ。…そこに警察は目をつけている。

 ――小林書記長のご意見に触発されて、労組への弾圧状況の新しい特徴にもう少し突っ込んでお聞きしたい。武委員長と湯川副委員長が未だ勾留されてい委員長が6回、湯川氏が8回逮捕され、西山氏も3回と逮捕され、洋一書記長も回拘束されてますね。先ほど80年代の弾圧との違いということで、労組と連携する協同組合や企業への攻撃についてはその特徴がはっきりしたのですが、労組についての弾圧の面で、実際に警察が幹部に対する長期拘留と、(一般)組合員に対する任意出頭とか、家宅捜索ガサ入れ)がすごい数でやられています。そのやり口本当に組織を破壊しようとしているように見えますが。

労組への違法・違憲の弾圧と
安倍政権の壊憲政治は一体

西山執行委員 家宅捜索でいえば、今までと変わっているのは、家宅捜索時に違法な捜索をされた事が過去にあって関生支部としては、必ずビデオ併用しながら対抗してきたのですが、家宅捜索時にビデオを回したらすぐにそのビデオを押収する。いわば違法行為をしている部分を撮らせないというのが露骨にやられている。これはどこの府警も県警もやってました。 私だけでも家に4回もガサ入れされてますからね。

 警察の違法性を隠すために、一方でマスコミを利用して露骨に見えた家宅捜索のもあります。先ほど全港湾の小林書記長が言われてたように、われわれが法的に守られているのが憲法であり労組法であるにも関わらず、その解釈を変える…これは取り調べでも露骨に言ってましたけれども、刑事免責の内容も一切変えてきている。

 われわれ労組が動いてる事が不当なのだ、違法なのだという事を露骨に取調官が言ってました。そういう部分で言えば、今の安倍政権のウソと違憲政治と一緒で法解釈を全て変えて行って、自分たちに都合のいい法律と憲法の解釈をしてきているのと言うのが断言できますね、警察の動きからは。

――警察は、自分達は違法行為を極端にしていても、そんなの関係ないとそういう感じで? 

西山執行委員 関係ないというよりも、一つの例で言えば先ほど出ていた労組法(労働組合法)第1条の刑事免責について、…刑事免責といえば、取り調べの警察官が「暴力行為さえしなければ、自分らはOKだと思ってるだろう」という発言があった。
 暴力は確かにイカンが、協約を破ったり、約束を守らなかったり、争議に暴力団を使ったことに抗議したり謝罪を求める行為自体がなぜダメなのかということ。当たり前のことじゃないのかと。

 なぜそれが強要になるのかという事で、警察が逮捕してる以上は正当化しなければいけないから。「暴力さえなければOKだと思ってるだろう」、「労組法の第1条の組合活動の刑事免責なんて関係ない」と、露骨に自ら口にしてましたから。そして、保釈されても組合事務所の出入り禁止、組合員との交信禁止、保釈とは名ばかりで自宅軟禁状態ですよ。

洋一書記長  彼らが言ってる事は、関西生コン支部はやり過ぎだぞということですよ。 さっき言ったように沖縄に、あるいは洞爺湖に行ったり、韓国に行くとかやり過ぎだと。
 やり過ぎって何だ?と言うと、それがやり過ぎだと(笑)。春闘の時期になったら、ミキサー車を街頭に200台超も出してメイン通りを走り回ってるけど、「そんなの目立ちすぎや」(笑)…そんな事で。

 やっぱり、80年代はこんな事なかった。本人は捕まえても、ましてや家族にまでとここまでやることはなかった。今回は家族まで揺さぶりをかけてるからね。
 「出さへんぞー」と、(組合を〉辞めるような事を家族に言ってくれみたいな、あまりにも露骨すぎる。家宅捜査でも、今回は、令状を見せてからでしか入れないはずなのに、2回目は玄関に入るなり、そのまま待っておけと。中に入って令状を読むという事です。

 今回の3度目の西山の時も、西山の名前の文字が違うと言ってるのに(笑)…一旦入ってきたよな。労組法1条とか、あるいは令状の提示の仕方とかもう関係ない…権力のやる事は、なんでもいい。

―― こういうすさまじい弾圧は、このまま許してしまえば、明日には全国の労組や市民団体に襲い掛かってくるということですね。
 さていよいよ、この状況を、どう突破し、反転攻勢に転じるのか、その話に移りたいと思います。

次号に続く

※新年第2号特集にご期待下さい。また全国から当座談会へのご意見ご連絡を編集部にまでお寄せください。

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