関生労組をデマ攻撃の「週刊実話」を名誉毀損で告訴
- 2019/9/3
- 反弾圧, 報告記事, 関生型労働運動
- 2018関生弾圧事件, 裁判

7月10日東京地裁において、関西生コン労組と武建一委員長を、荒唐無稽なデマ記事で誹謗中傷した『週刊実話』と記事執筆者が名誉棄損で告訴された事件の第一回公判があった。当日は集まった60名の傍聴人と共に、公判前に警察庁に対する請願行動も行われた。当日の様子を大野和興さんのレポートと、救援連絡センター発行の「救援」誌の記事からお伝えする。(写真提供:ジグザグ会)
7月10日第1回公判開かれる
関生を誹謗中傷した『週刊実話』連載記事の執筆者を名誉棄損で訴え
報告:大野和興(農業ジャーナリスト)
連帯労組関西生コン支部(以下、関生支部)を 誹謗中傷した 記事の執筆者を名誉棄損で訴えた裁判の第1回公判が7月10日、東京地裁で行われました。関生支部はいま関西一円で警察当局による逮捕者が続出する大弾圧のもとにありますが、問題となった記事は、その弾圧を後ろ押しして、関生支部と武建一委員長を誹謗中傷したもので、『週刊実話』に今年2月21日号、同28日号、3月7日号に3回連載されました。

裁判の原告は武委員長で、記事を執筆したライターの一ノ宮美成氏ほか1名を名誉棄損で訴えたものです。7月10日の後半で現在拘留中の武委員長に代わり意見陳述に立った関生支部書記長の武洋一さんは、関生労働運動が底辺労働者の典型だった生コン労働者の社会的経済的地位向上をいかに図ってきたか、阪神淡路大震災で問題となった高速道やビルの崩壊の原因に水で薄めたシャブコンの存在があり、労働組合としてその根絶にいかに努力してきたか、など関生支部の活動の正しさを訴えました。
そうした労働組合の活動は憲法で保障された労働者の団結権、団体行動権に基づく正当な活動なのですが、大阪、京都、滋賀などの府県県警はその活動に威力業未妨害、強要などといった刑事罰を適用して強引に逮捕を繰り返し、武委員長をはじめ何人もの組合員が1年に及ぶ違法な長期拘留のもとにあります。武洋一書記長はそうした弾圧を後ろで支えているのが『週刊実話』の記事であるとして、次のように述べました。
「違法な弾圧を肯定し、むしろそれを賞賛するかのようにしてそのお先棒を担ぎ、いい加減な警察情報を垂れ流して私たちを誹謗中傷し、警察に協力したのが、今回の被告らによる悪質な連載記事であったのです」

実はライターの一ノ宮氏はかつて雑誌『宝島』(現在廃刊)を舞台に関生支部と武委員長に対する誹謗中傷記事を書き散らし、2017年8月23日に東京地裁で損害賠償を命じられています(→参照)。裁判所は同時に宝島社にも倍賞責任を課しました。原告武委員長側の主張が認められたのです。今回はそれに続く裁判といえます。その時の原告側弁護人は大口昭彦弁護士で、今回も引き続いて大口弁護士ら5人の弁護士が弁護団を結成、裁判にあたっています。
なお、7月10日は東京地裁での公判を前に支援者と弁護人ら約60人が警察庁に出向き、「都道府県警察による違法・不当な捜査・逮捕が繰り返されていることを警察庁は正確に把握し、本弾圧をただちにやめさせること」などの請願行動を行いました。

関西生コン弾圧に反撃開始
「週刊実話」を名棄損で提訴・警察庁抗議で
(「救援」誌より抜粋)
「週刊実話」裁判開始

本年2月〜3月「週刊実話」が3回にわたって「連載ブラックマネー」と銘打ち、全日本建設運輸連帯労働組合関西生コン支部(以下関西生コン)武建一委員長に対し、事実無根のデッチ上げ中傷記事を載せた。
前代未聞のこの刑事弾圧に加担する、このようなデマ記事を書いたのは東大阪在住のフリーライター、一ノ宮美成&グループ・K21。「週刊実話」を発行しているのは、東京都千代田区内神田の日本ジャーナル出版である。記事は武委員長を「ブラックマネー」「反社会集団」と決めつけ、関西生コンの展開する労働組合活動と、中小生コン業者と協同して進める産別政策を貶め、もって現下の拡大する一方の刑事弾圧に「率先助勢」しているのである。
したがって、被告は一宮と日本ジャーナル出版である。
7月10日、第一回裁判
7月10日、本裁判が始まった。代理人の大口弁護士による訴状要旨の陳述、続いて原告の武委員長が現在拘留中のため、関西生コン武洋一書記長による意見陳述。
武さんは、要旨、関生労働運動は低賃金・劣悪な労働条件で働き続けて来た生コン労働者が組合に結集して社会的、経済的地位の向上を獲得してきたこと、大手ゼネコンの下で不当な生コン価格を押し付けられて来た中小の経営者とも協同して、生コンの適正価格の実現に努力し、その成果を現実のものとしてきたこと、阪神淡路大震災で露呈したシャブコン(崩落の原因となった水で薄めた生コン)を是正させることなどを堂々と述べた。
更に、この悪質な「週刊実話」記事は、現在憲法28条の労働基本権を蹂躙して逮捕を繰り返しており。滋賀、大阪、京都などの府県警察と、あえて起訴し続ける各地検、それと呼応して裁判所拘留を認めていることを鋭く追及したのである。
42の傍聴席はスキあらば介入しようとしている瀬戸弘幸らの差別・排外主義右翼らを許さず、基本的に代理人すら出頭しなかった法廷を圧したのである。
「反社会的勢力」?
被告の一ノ宮は、日本共産党系のフリーライターである。代理人となった弁護士は、レッキとした日本共産党の弁護士だ。
大阪の共産党系弁護士は特に、「反社会的勢力に反対する民主勢力」という基盤に立っている。日本共産党としても、特異な存在である。しかし、関西生コンは日本共産党の資本・権力にすり寄る姿勢と決別して誕生したいきさつがある。
資本・権力と一体となって「反社会的集団=関西生コン」をくり返す被告らの攻撃をうち破らなければならない。
警察庁抗議の闘い

同日、裁判前に本弾圧を指揮・監督していると断じざるをえない警察庁に対し請願という形を取りながら、大衆的行動を60人参加して貫徹した。救援連絡センター3月総会で「関西生コン弾圧に反撃する特別決議」を基に申し入れ行動につづく第二弾の警察庁への闘いである。
周知のとおり、各自治体警察を指揮・監督するのが警察庁である。昨年8月から集中的に逮捕弾圧をくり返している関西の府県警察(最近では和歌山も加わった)の関生逮捕・捜索に関与していないわけはない。
しかし、請願行為に警察庁はまともに対応せずこのビルを統括する総務省の下端役人が警察庁の「請願拒否」に忖度し、ビル内に入ることも拒否したのである。まさに「国策弾圧」に他ならない。これに懲りず、警察庁への抗議を今後も継続して行うことを宣言し、ビル前で弾劾行動・シュプレヒコールをくり広げ、関生弾圧粉砕をアピールしたのである。
ネットでデマ宣伝
一方で、同趣旨の悪質なデマ記事・ネットでの悪宣伝をくり返している須田慎一郎がいる。「WILL」記事では、本年4月「関西の闇-関西生コンってなんだ」を掲載、ネット記事では同趣旨の悪質宣伝を垂れ流している。この須田慎一郎に対する名誉毀損による損害賠償裁判も近々始まろうとしている。