

編集部注: コロナ感染拡大が世界を覆う中、韓国で総選挙が実施され与党・共に民主党の圧勝となった。この結果について、日韓ネットに詳細な分析とともに重要な視点を示唆する論考が出された。長文であり特にタイトルにあるように、韓国キャンドル革命の今後の発展を考える上で「民意はどのように生まれたか」と「今後の課題」に焦点を絞って概略部分を紹介する。全文は末尾の日韓ネットブログを参照ください。タイトル・中見出しは、原文のまま。
与党の圧勝、保守の惨敗
2020年4月15日、韓国の国会議員選挙が実施され、投票率は全国66.2%(前回選挙は58%)、この28年間で最高の投票率となり、与党、共に民主党の圧勝となった。地方区と比例代表の合計300議席のうち、共に民主党が地方区と比例連携政党、共に市民党まで合わせると180(改選前123)を占め、単独過半数を獲得した。
一方、保守系野党の未来統合党は103で、122議席あったセヌリ党時代から比べると大きく後退した。
特に、「政治一番街」と呼ばれ大統領候補を輩出する鍾路区では、与野党の首相経験者同士の一騎打ちということで注目が集まっていたが、共に民主党の李洛淵(イ・ナギョン)氏が未来統合党の黄教安(ファン・ギョアン)氏を破って勝利し、今回の選挙結果を象徴する結果となった。
韓国の新聞社各紙とも今日(4月16日)早速、社説などを掲載している。保守系の『朝鮮日報』でさえ「文政権の失政がいくらひどくても、国民は未来統合党に入れなかった」としており、リベラル系の『ハンギョレ新聞』は「文在寅政権を後押しした民意が野党を審判した」としている。http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/36350.html
保守系の未来統合党は、ソウル49選挙区では8年前セヌリ党時代の16議席を4年前には12、今回の選挙では8議席となり、8年前の半分になった。
今回の選挙では院内代表のシム・ジェチョル(沈在哲)も落選した。
「最高委員で生き残ったのは1人だけ」と指摘した『ハンギョレ新聞』は、「保守にはもう居場所がない」、「粉々に砕けて指導部も壊滅」と書いた。
このような状況に保守系のマスコミ『東亜日報』も4月17日の社説で保守の「壊滅的な惨敗」と書き、紙面でも「指導部が空白」としており、『朝鮮日報』も「まだ保守が多数だと錯覚し中道層を失った」と手厳しい。
(以下次号に続く)
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国際短信】
韓国、新型コロナ余波で国防費削減・F35A戦闘機導入を遅らせる英断

(韓国:中央日報4月16日)
韓国政府は16日、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急災害支援金の財源確保に向け7兆6千億ウォン(約6680億円)規模の追加補正予算案を編成しF35Aステルス戦闘機事業などが含まれた国防費の一部を削減することにした。
この日の臨時閣議で確定した「2020年度第2回追加補正予算案」により減った国防費は総額9047億ウォンで、政府官庁の予算削減のうち最も多くの部分を占めた。
韓国政府は16日、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急災害支援金の財源確保に向け7兆6千億ウォン(約6680億円)規模の追加補正予算案を編成しF35Aステルス戦闘機事業などが含まれた国防費の一部を削減することにした。
この日の臨時閣議で確定した「2020年度第2回追加補正予算案」により減った国防費は総額9047億ウォンで、政府官庁の予算削減のうち最も多くの部分を占めた。
削減対象に上がった防衛力改善費は具体的に、F35A(3千億ウォン)、海上作戦ヘリコプター(2千億ウォン)、イージス艦(1千億ウォン)事業などだ。
国防部のキム・イルドン戦力政策官はこの日の定例会見で「F35とイージス戦闘システム導入は今年支払うことにしていた一部の金額を来年に支払うことにして米国政府と協議中。国内防衛事業の育成と保護の次元から海外導入事業を中心に減額した」と説明した。
軍関係者は「現在F35の口座残高は2兆ウォンを超えており十分だ。最近ドル相場が急騰したので支払い時期を先送りすれば予算節減効果もある」と話した。
削減対象に上がった防衛力改善費は具体的に、F35A(3千億ウォン)、海上作戦ヘリコプター(2千億ウォン)、イージス艦(1千億ウォン)事業などだ。
国防部のキム・イルドン戦力政策官はこの日の定例会見で「F35とイージス戦闘システム導入は今年支払うことにしていた一部の金額を来年に支払うことにして米国政府と協議中。国内防衛事業の育成と保護の次元から海外導入事業を中心に減額した」と説明した。
軍関係者は「現在F35の口座残高は2兆ウォンを超えており十分だ。最近ドル相場が急騰したので支払い時期を先送りすれば予算節減効果もある」と話した。