ゲバラの娘アレイダさんの語る『連帯』の重い意味 「命をビジネスにしてはならない」

各人のかけがいのない芯で結ばれてこその<連帯>
それが世界に必要!

アレイダ・ゲバラさん大阪講演(2011)

 キューバ革命の指導者チェ・ゲバラの娘で、キューバ親善大使・小児科医師でもあるアレイダ・ゲバラさんは、2011年8月に東日本大震災を受けて来日し、被災地を歴訪した。
 旧ソ連チェルノブイリ原発被災で世界最多の医師団を派遣した〈医療大国〉キューバならではの視察だったが、日本政府はこの申し出を無視し続けた。無論、米国を恐れてだった。
 この時、筆者はアレイダさんの大阪での講演会(上写真)に取材し「人の命と健康はビジネスの対象であってはならない」と熱く訴える同氏から、〈連帯〉の真の意味を語って頂いた貴重な経験を持つ。(関西M)

アレイダさん「ゲバラを父として」

 この時、アレイダさんは被災地について「お金は助けになるが、大切なのは人間の温かみ。被災者に〈連帯〉する必要がある」と、チェ・ゲバラの〈連帯〉思想と関連して話した。

「命と健康はビジネスの対象であってはならない。自分は、父の膨大な著書と父の親友たるグラナード博士などから最大の教育を受けたと思うが、お金儲けのためではなく、人の役に立つ医者として教育された。病気は治療するより予防が重要で患者の痛みに寄り添うこと」と強調し会場は拍手に沸いた。

「革命以前キューバは国内医療がほとんど皆無だった。医師は人口500万人に対しわずか6000人しかおらず、それは全て米国の支配によるものだ。だから父たち革命政府は、緊急課題として医療無償化に取り組んだ。

ひとりの痛みはみんなの痛み

 健康もまた人間の権利だし、人の命は売買できない聖なる領域だ。
 現在キューバは、さまざまな国に数万人規模で医師や米国の先住民が住む地域には教師を派遣するなど人道的な派遣をしているが、米国中心の国際社会からは「罰」を受けている。苦しいが決して屈しない」と決意を表した。

 筆者の〈連帯〉機関紙の名刺に彼女は、「〈連帯〉…Solidarity?ワレサの影響?」と関心を見せ「この国に〈連帯〉を名乗ってくれる組織があって本当に嬉しい。でも、各人があり余ったもので交わる慈善とか気まぐれにチャリティとかで繋がるのは〈連帯〉とは呼べない。各人のかけがえない芯の部分で結ばれてこその〈連帯〉だと、常にお仲間と確かめ合って欲しい」と抱きすくめてくれた。

 10年近く経った今もその言葉がよみがえる。

【アレイダ・ゲバラ】
医師であり、キューバ革命を成功に導いたエルネスト・チェ・ゲバラの娘。ゲバラは1955年7月、貧しい人を救いたいと南米を旅している最中、カストロと出会い、彼と共に1965年、28歳の若さで革命に乗り出し、キューバの独裁軍事政権を打倒、キューバを独立へと導いた。 アレイダ氏自らも医者の道に進み、南米やアフリカの貧しい子供達への医療活動を精力的に行っている。 キューバ親善大使として活動するアレイダ氏は「チェ・ゲバラの娘」としてだけでなく、アレイダ・ゲバラとして世界各国の多くの人たちを惹きつけている。 世界の医療問題を取り上げたマイケル・ムーア監督の映画「シッコ」にも出演。

   
「父ゲバラとともに、勝利の日まで―アレイダ・ゲバラの2週間」
アレイダ・ゲバラ滞日2週間の講演と対話の記録。父チェが娘に語った言葉、若者に伝えた言葉の数々をはじめ、キューバ医療について、平和について、社会主義について、かつて父が訪れた日本について…

「un día con Aleida ~un documental de Aleida Guevara」
アレイダ・ゲバラ緊急来日講演のドキュメンタリー映画

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