「のりこえねっと」に新しい力を- 辛淑玉代表が関西訪問

「極右ヘイト集団退治に関西の力が不可欠」

  - 辛淑玉代表、語る

戸田ひさよしさん&辛淑玉さん

戸田ひさよしさん&辛淑玉さん


 朝鮮初級学校の幼子たちを集団で恫喝し、東京・大久保や大阪・鶴橋など街頭で「韓国・在日皆殺しだ!」と平然とヘイトスピーチを繰り返す、許されざる「ザイトク会」ほか極右集団が各地で脅威だ。
 これら人間の尊厳を冒すヘイトスピーチとレイシズムを許さない活動を進める国際ネットワークのりこえねっとは、石井ポンペ・上野千鶴子・佐高信らわが国の良心を代表する言論・知識人21名を呼びかけ人に2013年9月に結成された。

 その東京事務所のセンター機能充実と全国への運動拡大を期して、共同代表の一人・辛淑玉さん(人材育成コンサルタント)が5月19日、関西の労組幹部、運動家、活動市議らと大阪市東淀川区の協同会館アソシエで連絡協議会を持ち、今後の関西での拡大拠点づくりなどで意見交換をした。
 関西側は〈ヘイト被害の深刻さを確認―緊急の対応と協力が必要〉との認識で一致し、東京ほか各地と呼応して、学習会やシンポジウムなど市民レベルにまで運動主旨を浸透させる努力を約した。
 当日は連帯労組関西生コン支部全港湾大阪支部ほか幹部・活動家、ザイトクとの闘いで門真市行政を覚醒させた戸田ひさよし同市市議らが参加。ヘイト犯罪集団に真っ向から立ち向かう「のりこえねっと」への協力姿勢を表した。

私たちのめざすもの(のりこえねっと「設立宣言」)

のりこえねっとロゴ

 いま、在日韓国・朝鮮人を標的とするヘイトスピーチが、各地で凄まじい勢いで拡大している。 多文化のもとで共生する人びとの平穏な生活を切り裂き、民族差別や人種偏見に満ちた、侮辱的、脅迫的言動が繰り返されている。

 ヘイトスピーチは、街頭だけでなく、ネットやさまざまなメディアでも繰り広げられ、差別、偏見、攻撃の言説を執拗に展開している。 なかでも日本軍性奴隷被害者(いわゆる「従軍慰安婦」)とされた女性たちに向けられる侮辱と憎悪の表現は、人権の価値を根こそぎ破壊するレベルにさえ達している。

 ナチス時代のユダヤ人などへの迫害、かつての南アフリカでのアパルトヘイトやアメリカ南部におけるKKK団のリンチを想起させるような激しい侮辱と憎悪表現に対して、日本社会からの反応は、いまだあまりに鈍い。

 在日韓国・朝鮮人は、日本による侵略と植民地支配によって生み出された。その存在の歴史性に対する決定的な無知と、「言論の自由」の尊重という口実のもとで、この社会の多数派は、この卑劣で暴力的なヘイトスピーチを黙認し続けている。

 ヘイトスピーチは、当面の標的とする在日韓国・朝鮮人だけではなく、女性を敵視し、ウチナーンチュ、被差別部落の出身者、婚外子、社会が障害となっている人たち(いわゆる「障がい者」)、性的少数者などの、社会的少数者にも攻撃を加えてきた。 彼らが攻撃する人々は、日本の戦後体制の中で、人格権や生存権を政策的に奪われたり無視されたりしてきた人々と、みごとに重なっている。この意味において、日本におけるヘイトスピーチは、戦後体制が政策的に作り出してきた差別そのものなのだ。

 本質に立ち返って考えたい。
 ヘイトスピーチが傷つけるものとは何なのか、ということを。
 それは、在日韓国・朝鮮人だけではない。社会的少数派だけでもない。
 ヘイトスピーチは、良心を持つあらゆる人々を傷つけるのだ。国籍も、民族も、性別も、出自も関係なく、すべての人間には普遍的な尊厳と人権があると考える人々の信念、そして、なによりも平和に生きようとする人々の精神に対して、言葉と物理的な暴力で憎悪を投げつけ、侮辱し、傷を負わせる。国際社会がこれまで長い苦しみの歴史の中で築いてきた、世界人権宣言にも謳われる普遍的な人権概念を攻撃し、その価値をあざ笑い、踏みにじる。
 これが、ヘイトスピーチの本質なのだ。

 だから、この暴力に対峙し、決然と対決することは、単なるマイノリティ集団の利益のための行動ではない。また、一国の国内問題を解決するためのものでもない。民族や国境の壁を超えて、人権の普遍的価値を擁護し、防衛する行動でもあるのだ。
 それは、この日本社会にあっては、戦後体制によって市民的権利を剥奪されてきた人々の「市民として生きる権利」を希求する行動以外の何ものでもない。

 ここであらためて確認し、明記しておく。
 人間の涙の歴史を無に帰そうとする挑戦に、私たちは、決して屈しない。  

ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク
「のりこえねっと」共同代表 一同

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