6・21 シンポ・今、見逃せない労働組合弾圧
各界識者が語った権力思惑とメディア発信

6・21 シンポ・今、見逃せない労働組合弾圧

 6月21日、大阪市川口の学働館で「6/ 21シンポジウム〜今、見逃せない労働組合弾圧〜」が<労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会>主催で開催された。当日は会場への参加入場者を限定し、インターネットでの同時配信での視聴を呼びかけるなど、新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じた新しい試みでの開催であった。

 今回のシンポジウムでは関西生コン支部弾圧の本質と背景を多くの層で理解し、権力や資本に対峙する社会運動を制圧しようと躍起になっている安倍政権の思惑をはね返し、今後あるべき労働組合活動を展望するに必須の考え方が各パネラーから提起された。

 冒頭、主催者を代表して全港湾大阪支部の小林勝彦書記長が挨拶。続き社民党全国連合の大椿ゆうこ常任幹事のコーディネートでパネルディスカッションは始まった。
 最初のパネラーとして関西生コン支部弁護団の永嶋靖久弁護士から、これまでの裁判を通じた総括があり、その後各パネラーからの提起が続いた。   

永嶋靖久さん(弁護士)
「関生型産業政策潰し図る警察・検察」

永嶋靖久弁護士

 今回、業務妨害での「被害者」と言い張る企業はもちろん、警察・検察は「労働組合は企業内の正規労働者を組織し、企業内で活動するもの」との固定概念でいる。

 彼らからすると関西生コン支部は、業界の適正化やコンプライアンス(法令遵守)など、企業にとって不都合な「行う義務のない(行いたくない)こと」をさせようとする「金目当てのヤクザなんかよりも、よほどたちの悪い集団」と映る。

  警察・検察は、労使が協力して特に生コン価格の適正化をはかろうという生コン支部の産業政策そのものを問題視し、潰そうとしていることが弾圧の背景だ。

亀石倫子さん(弁護士)
「大衆の労組嫌いを悪用の権力、世論に訴えを」

亀石倫子さん

 これまで自分が担当したダンスクラブ弾圧やタトゥー(入れ墨)彫り師弾圧と、今回の生コン支部弾圧は警察・検察が排除しやすいと考えているところから排除していくという点で共通する。

 世間一般の人たちは労働組合を理解出来ておらず、労働組合に対する嫌悪感さえ持っている人も多い。権力はそれを悪用している。
 よって、弾圧をはね返すにはメディアや世論を巻き込んでいくことが必要であり、十分な立証活動を担保するために不可欠な裁判費用等を集めるため、クラウドファンディングを活用するのも有効な手段だろう。

竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
「『第2の現実』つくるメディアへ情報対策を」

竹信三恵子さん

 自分が関生支部弾圧を取材する前、インターネットでは「関生支部は暴力集団」とのデマであふれ、メディアも警察・検察からの一方的な情報しか流していなかった。
 その中、労働法学者有志の声明が発表され、第一人者の方々が 「この事件は労働法の観点からおかしい」と言ってくれたことで流れが変わった。

 私自身も雑誌『世界』で関生支部の労働条件改善運動などについて取材したルポを掲載。これが一つの転機となり、労働者側からの別視点を提示。他の記者も徐々にその立場から記事を書いてくれるようになり 、インターネットでもそうした書き込みが広がった。

 メディアの描く世界は「第2の現実」であることを念頭に、今後、社会運動をする側もメディアに正しい情報をいかに流布して行くのかとの戦略姿勢が必要で、個々人の情報発信も重要だ。  

吉田美喜夫さん(前立命館大学総長・同校名誉教授)
「関生型運動こそ次代に繋ぐモデル」

吉田美喜夫さん

 この弾圧の背景には、新自由主義のもとで関生支部の運動に共感者が増え、無視できない状況を作り出していることがある。

 関西生コン支部弾圧と闘う意味はどこにあるのかといえば、格差が広がり、雇用によらない働き方をする人も増えている今…そうした人たちにとって関生型の運動は一つのモデルになるということだ。

 この『関生モデル』を揺るぎないものにし、次の世代につないでくことが必要だ。そして今奪われようとしている労働基本権の重要性を再認識し、弾圧を許さない法理論を明らかにしていきたい。

武委員長のビデオレターに拍手

武委員長のビデオレターに拍手 6・21 シンポ

 休憩後、保釈されたばかりの武建一委員長・湯川裕司副委員長のビデオレターが上映され、その元気な姿に会場からも拍手が湧いた。

 会場からの質問にパネラーが答えた後、パネルディスカッションは終了。
  実行委員会から山川よしやすさんがまとめと行動提起を行ってシンポジウムは成功裡に終わった。   


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