大阪労働学校・アソシエ 2020年講座のご案内/斎藤日出治
オンライン講座やクラウドファンディングへの取り組みも

大阪労働学校アソシエ学長・斎藤日出治
コロナ禍での新年度講座の取り組み
今日、安倍政権の場当たり的な新型コロナウイルス対策の影響で、文化的活動も含む多くの教育団体・事業が活動を自粛し経済的に疲弊しています。本校でも、2月末に開催予定であったシンポジウムを中止する決断を下しました。
本年度はスタッフ・受講者・講師が手洗い等の徹底した感染防止対策のうえで全ての講座を開講する予定です。ただし一部の講座(受講生が多く距離がとれない場合など)については、完全にオンラインのみでの配信といたします。
詳しい情報や受講方法は必ず本校のホームページにてご確認ください。これまでに引き続き、本校を財政的・社会的に支えていただくサポーター制度も設けています。読者の皆さまの熱いご支援をよろしくお願いいたします。
理論実践双方で対弾圧の反撃拠点へ

本校は、「労働の尊厳の回復」、「競争から共生・協同型社会への転換」を目標に掲げ、2016年に開学し、今年で5年目を迎えます。
昨年度は資本・警察・司法が一体となって襲ってきた連帯労組関西地区生コン支部に対する大弾圧のなかで、受講生や財源の確保で厳しい状況に直面しましたが、大阪本校と昨年度開講したアソシエ東京教室の双方の講座運営を通して、この大弾圧の過酷さの根に潜む現代世界のありかたを究明するとともに、大弾圧に抗する闘いの新たな展望を開くことができました。
本年度は、昨年度のこのような講座運営を足がかりにしつつ、本校が理論・実践の双方において、反撃に向けた闘いの拠点となるべく新たな第1歩を踏み出す決意です。
本年度の講座趣旨
本年度も、昨年度までの基本的な柱立てを継承し、関西生コンの業種別組合運動の闘いから学ぶ「労働運動講座」、労働運動と協同組合運動との連携にもとづく社会的連帯経済の組織化を追究する「協同組合講座」、マルクスの古典思想を通して現在のわたしたちの生き方を考える「ものの見方・考え方講座」を主たる三本柱とします。
■労働運動講座

大阪本校の「労働運動講座」では、「疎外労働を克服し労働の尊厳をとりもどす労働運動を追求する」講座(山元一英講師)、世界各国の産別労働運動を学ぶ講座、などを企画しています。
東京教室では、「『関西生コン』型労働運動とは何か」と題し、学習だけでなく東京からできる支援活動を模索する講座を開きます。
■協同組合講座

大阪本校の「協同組合講座」では、労働者協同組合、モンドラゴンやイタリアの協同組合を論ずる津田直則講師の講座を中心にして、本校の学生が編集した『月歩』創刊号で特集した「プラットフォーム協同組合」(齋藤隼飛講師)を講座企画に組み入れました。
東京教室では、昨年発足した「社会的連帯経済を推進する会」が中心となって参加準備を進めているGSEF(Global Social Economy Forum)2020メキシコシティ大会の参加やその報告も見据え、協同組合の基礎だけでなく現在の世界的な動きを学び議論する講座を企画中です。
■「ものの見方・考え方」講座

大阪本校の「ものの見方・考え方」講座では、マルクスで現代世界を読むというテーマで、斉藤日出治講師が「マルクスで資本主義の終りを読む」を、田畑稔講師が「生活過程論で再読するマルクス」を担当します。
これまで国体論をテーマに講座を担当していただいた白井聡講師には、現在の民衆の生活の苦悩をマルクスの目で読むというテーマで、この講座のひとつを担当していただきます。
東京教室では、中村勝己講師による「グラムシ・ヘゲモニー論と現代政治思想」、伊藤誠講師による「マルクスの思想と理論」を開講します。
さらに、大阪本校で講師やシンポジウムへの登壇など様々に担当していただいた薔薇マークキャンペーンの理論的推進者の松尾匡講師には、総選挙をにらみ経済政策を語ってもらいます。
■ 新たなフェミニズム講座の開設

その他、大阪本校のスタッフの企画で「フェミニズム講座」を新たに開設しました。ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』をテクストにして本校初の全国からオンライン参加が可能な講座を開きます。
東京教室では、「家族と仕事を考える」と題し、フェミニズムの思想を手がかりに女性が中心となって自主的な学びの場を設けます。
オンライン講座という新たな試み
本年度から大阪本校、東京教室で希望のある講座については、オンラインによる講座の放映をして、それぞれの教室で互いの講座を聴講し、かつ討論できるようにします。
またこれによって、オンラインで放映する主要な講義を録画することで、今後の教材や資料として保管することも可能になります。
本校が情報の送受信のプラットフォームとなって、全国各地の労働運動、社会運動のネットワークの拠点となるべく、技術的にも模索しながら新しいスタートを切るつもりです。
月歩双書シリーズ第2号の刊行に向けて…
クラウドファンディングを開始

月歩双書は大阪本校の若手スタッフらが執筆、編集する書籍シリーズです。昨年度より本校のプロジェクトとして発足し、「プラットフォーム協同組合」を題材とした第1号を刊行しました。
本年度は、さらなる挑戦として、「フェミニズム」をテーマにした第2号の刊行をクラウドファンディングを使って宣伝、準備します。すでにクラウドファンディングを開始し、以下のURLよりどなたでも概要がご覧になれます。
https://motion-gallery.net/projects/geppo-feminism
クラウドファンディングとは、インターネットを通して実現したいプロジェクトや作品を発信し、想いに共感した人や応援したい人から資金を募る仕組みです。第2号の刊行を実現するために、こちらも読者の皆さまのご支援よろしくお願いいたします。(了)

「月歩フェミニズム号」をクラウドファンディングで!
大きな輪で本作りめざす
5月20日まで
「月歩」編集部 編集長・齋藤隼飛
■『月歩フェミニズム号』のクラウドファンディングが無事に始まりましたので、お知らせいたします。
開始からの2日間で目標金額の16%の6万3000円が集まっています。現時点では主に若い方からの支援ですが、松尾匡先生も支援に加わっていただいております。目標金額の100%を達成できても予算的にはギリギリのため、150%の達成を目指しています。締め切りは5月20日に設定しました。
また、インターネットが苦手な方のために、クラウドファンディングのお知らせチラシも作成しました。こちらでは、同様のリターンを設定し、振込でも支援を受け付けさせていただいています。
支援と拡散にご協力いただけますと幸いです。不明な点等ございましたら、いつでもご連絡ください。宜しくお願い致します。
▼クラウドファンディングのページ▼
https://motion-gallery.net/projects/geppo-feminism