報告】米大手紙ワシントンポストに意見広告(沖縄意見広告運動)

 稲嶺進市長のワシントン-ニューヨークでの行動を支持して訴えた基本メッセージと国際的識者の共同メッセージ、稲嶺市長のメッセージを米紙ワシントンポスト(電子版)に掲載しました。これはその主要部分を日本語に訳したものです。
(一部抜粋です。⇒全文はこちらへ

沖縄と日本の市民から米市民へのメッセージ

いまこそ、海兵隊を呼び戻そう!

 第二次世界大戦末期の1945年の3ヵ月間、日米の軍隊による最後の、そして最も悲惨な地上戦が日本の南西諸島にある小さな島、沖縄で行われました。日米の軍人だけでなく、多くの沖縄住民を巻き添えにした地上戦で20万人を超える人々の命が奪われたのです。その大半は沖縄住民でした。

 沖縄戦以降、米軍は沖縄住民の土地を強制的にとりあげ、沖縄を占領しつづけています。今でも、8つの海兵隊基地と1つの空軍基地を含め、34の米軍基地と軍用施設が沖縄には残されています。冷戦後、米国の国内外で多くの米軍基地が閉鎖されましたが、沖縄の基地は温存され強化されています。今また、30億ドルをかけて新しい海兵隊航空基地が辺野古の海に建設されようとしています。

絶滅危惧種が泳ぐ海への
巨大海上基地計画に反対する沖縄県民に国際的連帯を!

辺野古の海 日米両政府は、辺野古新基地建設に反対する沖縄県民の声を無視して、かけがえのない辺野古の海と大浦湾を埋め立てて巨大な軍港のある海兵航空基地を建設しようとしています。

 辺野古の海は、海洋生物の宝庫であり、ジュゴンをはじめ、多様なサンゴ群落や海草藻場が広がり、多く海洋動植物が生息しています。特にジュゴンは、絶滅危惧種に指定され国際環境保護条約で保護が義務づけられているマナティーに似た大きな海洋哺乳類です。人魚伝説を生んだといわれる愛らしい海洋生物の生存が巨大海上航空基地建設によって脅かされようとしています。

 これまでに、沖縄県民は9万人と10万人の県民大会を2回も開催し、“ジュゴンの海”を破壊する辺野古新基地建設計画に反対してきました。沖縄県議会も2008年以来、何度も辺野古新基地建設計画を断念するよう決議し、辺野古新基地建設計画に沖縄県内の全市町村長が反対し全市町村議会も反対決議を採択しています。

 4年前に名護市民は「辺野古の海にも陸にも新たな基地は造らせない」と公約を掲げた稲嶺進市長を誕生させました。
 そして、今年1月に日本政府の強い圧力を跳ね返し、再び辺野古新基地建設に反対する稲嶺進市長を当選させました。県民世論調査も常に大多数の県民が辺野古新基地建設に反対しています。名護市民と沖縄県民の「辺野古NO! 」の意思は明確です。
 沖縄の誇りと尊厳を掛けた民主主義を尊重して、アメリカは辺野古海上基地建設計画を断念してください。そして海兵隊を沖縄から米本国へ引き揚げてください。

 アメリカは人権や民主主義の正義を大切にする国です。沖縄でも人々の声に耳を傾けてその正義を実践してください。
 沖縄戦以来の約70年も続く米軍基地の負担をこれ以上、沖縄県民に負わせないで下さい。
 辺野古新基地建設に反対する名護市民や沖縄県民への国際連帯の輪が国際的著名人の呼び掛けた署名活動で拡がっています。
どうぞあなたも署名してください。
http://chn.ge/1ocUsyu

世界で一番危険な米軍基地、普天間
――愛する者が危険にさらされていたら、あなたは黙っていられますか?

普天間第二小学校の上空を飛行する米軍機

普天間第二小学校の上空を飛行する米軍機

 辺野古の海に海兵隊航空基地を建設するのは、住宅地に囲まれた世界で一番危険な普天間飛行場を閉鎖・返還する条件としてアメリカ政府が要求しているからです。
 1996年に返還が合意され2003年までに返還されるはずでしたが、今では辺野古の基地が完成する2022年まで返還せず使い続けるとアメリカ政府は主張しています。返還合意から26年間も危険なままで使い続けると言うのです。

 普天間飛行場は欠陥飛行場です。滑走路の進入路に義務付けられている「クリアゾーン」(利用禁止区域)内に小学校、児童センターや約800軒の住宅があり、約3600人の市民が住んでいます。全ての米軍航空基地に適用される米軍の規則が沖縄では無視されています。

沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故(2004年8月)

沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故(2004年8月)

 沖縄では米軍機の飛行訓練コースが住宅密集地の上空に設定されています。2004年8月13日には、普天間基地に帰還する海兵隊大型ヘリが飛行場近くの沖縄国際大学本館ビルに墜落炎上する大惨事が起きました。
 しかし、今では、オスプレイ2個中隊24機が追加配備され、海兵隊ヘリや他の米軍機とともに夜間11時まで学校や住宅地上空での激しい飛行訓練を繰り返し、いつ再び大惨事が起こっても不思議ではありません。

 米軍航空基地基準に違反したまま26年以上も運用し続けることは決して許されることではありません。閉鎖のための良い解決策は海兵隊を沖縄から米本国に戻すことです。

沖縄の米軍基地と海兵隊は本当に必要なのか?

沖縄県民大会(2012年9月)

沖縄県民大会(2012年9月)

 沖縄には在日米軍基地の74%が集中し、その多くが海兵隊の基地です。アメリカ国内でも政治家、元軍人、宗教指導者、シンクタンクのメンバーなど様々な分野から、「沖縄からの海兵隊撤退」を求める声が出されています。

 国防予算が毎年1000億ドル削減される中で海兵隊も削減され、米本国内では基地が閉鎖されます。昨年、ランド研究所は沖縄の海兵隊を米本国へ撤退させて約2500名の海兵遠征部隊を強襲揚陸艦で派遣すれば、有事対応に差はなく経費もかからないと推奨しています。

 2011年には、カール・レビン上院軍事委員長(民主・ミシガン)、ジョン・マケイン上院同委員会筆頭理事(共和党・アリゾナ)、ジム・ウェッブ上院外交委員会東アジア太平洋小委員長(民主・バージニア)が連名で、現在の数十億ドルもかかる沖縄の辺野古新基地建設計画を「非現実的、実行不可能かつ財政的に負担困難」と訴えました。

 彼らは、海兵隊の戦闘部隊を分散しローテーションさせることにより、新しい基地の建設なしに危険な普天間飛行場を閉鎖することができる、と提言しました。

オスプレイ配備に反対する国会議員や県議会議長、市町村長(2012年10月)

オスプレイ配備に反対する国会議員や県議会議長、市町村長(2012年10月)

 オバマ米政権の国家安全保障担当であったジェームズ・ジョーンズ前大統領補佐官は、「海兵隊はどこに移転しても構わない部隊であり、米軍全体の計画が在沖海兵隊の移転先に左右されることはない」と述べています。1950年代-60年代に沖縄に勤務したことのある退役軍人の多くは、米本土では、多くの米軍基地が閉鎖・統合される中、沖縄の基地がほとんど変わらずに数多く存在することに驚きます。

 海兵隊を沖縄から撤退させ、69年前の沖縄戦以降、基地建設のために土地を取られた沖縄住民に土地を返して負担軽減を実現させましょう。

 米連邦議会は財政赤字削減のために10年間で約1兆ドルの国防予算削減を義務づけました。この巨額の国防予算削減は、確実に米本土での基地閉鎖と雇用減少を招くでしょう。そうならないためにも、沖縄の海兵隊基地にお金を使うのではなく、より多くの海兵隊を米国に戻し、沖縄の負担を軽減して米国の雇用を維持しましょう。

戦争より経済再建を
いまこそ海兵隊を呼び戻すとき

東京でオスプレ イ配備反対パレードをする県民大会代表団(2013年1月27日)

東京でオスプレ イ配備反対パレードをする県民大会代表団(2013年1月27日)

 残念なことに、今、東アジアで中国と日本は尖閣諸島の問題で緊張関係にあります。
 4月の日米首脳会談では、軍事的対応に傾倒する安倍首相に対して、オバマ大統領は「事態をエスカレートさせることは重大な誤りであり、日本と中国は信頼醸成措置を取るべきだ。私たちも外交的にできるだけ協力していきたい」と述べました。
 軍事力ではなく対話と相互理解によらなければ平和は生まれないのです。辺野古の海兵航空基地建設は日本と中国の緊張を高めるものであり、日本と中国の信頼醸成措置に逆行するものです。
 30億ドルもの巨額の建設費用を日本に負担させても維持費に年間2億ドルをアメリカが負担しなければなりません。このような無駄な基地建設をストップさせましょう。

 第17代アメリカ統合参謀本部議長である海軍大将マイケル・マレンは、米国にとっての最大の脅威は国の抱える債務であると述べています。
 今こそ、普天間基地を閉鎖し、米国の軍事予算を節約し、米国に雇用を生み出すためにも、海兵隊をアメリカ本国に呼び戻すときです。
 

あなた方が、私たちの主張に賛同し、米政府に対して、このことをアピールしてくださるよう求めます。

沖縄意見広告運動

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オリバー・ストーン氏、マイレード・マグワイア氏、
ノーム・チョムスキー氏からメッセージ

沖縄に正義をもたらそう

オリバー・ストーン氏、マイレード・マグワイア氏、 ノーム・チョムスキー氏からメッセージ

写真左より
ノーム・チョムスキー氏(マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授)
オリバー・ストーン氏(映画監督)
マイレード・マグワイア氏(ノーベル平和賞受賞活動家)
 写真提供: 琉球新報

 沖縄における戦争はまだ終わっていません。米軍基地は戦後70年経ってもまだ居座り続け、住民の安全、健康、命を脅かし続けています。しかし日米政府は沖縄から基地を減らすどころか、豊かな生物多様性を誇る辺野古湾岸において大規模な埋め立てを行い、海兵隊航空基地と軍港を新規に建設しようとしています。

 海洋性哺乳動物ジュゴンのほか、絶滅の危機に瀕する多くの生物が棲息する地域であるにもかかわらずです。140万の沖縄県民に、何度世論調査を行っても辺野古新基地に反対する人が大きな多数派を占める結果となっています。さる1月、辺野古がある名護市において、新基地に反対する市長が再選されたことは、地元住民が新基地を欲していないとの明確な意思表示です。

 稲嶺進市長は今週、名護市における新基地建設計画中止を訴えるために訪米します。沖縄に正義をもたらすために市長に力を貸してください。沖縄住民は、米国住民と同じように、人権と民主主義に対する権利を持ちます。

 1月には、オリバー・ストーン、ノーム・チョムスキー、マイレード・マグワイア、マイケル・ムーア、ナオミ・クライン等、100人を超える世界の著名な文化人や学者、平和運動家たちが、沖縄の新基地建設に反対する声明を出しました。

 この国際的運動に皆さんも加わってください。請願運動にこのリンク(http://chn.ge/1n7ZmyR)から署名をしてください。オバマ大統領に手紙を書いてください。私たちは沖縄の人権と自然環境を尊重しなければいけません。

【Change.org】
 沖縄・辺野古の新基地計画を中止し、普天間基地を即刻沖縄の人々に返してください。

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「第五期沖縄意見広告運動」~名護市長メッセージ~

辺野古の海にも陸にも新たな基地は造らせない

稲嶺進市長
 沖縄県には69年もの長きにわたり、日本の国土のわずか0.6%に在日米軍専用施設の73.8%が存在しています。日米両政府は宜野湾市にある「世界一危険な飛行場」を閉鎖し、生物多様性に富む名護市辺野古の海を埋立てる新たな基地の建設を計画しています。

  私は、普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する地元名護市の市長です。私は「辺野古の海にも陸にも新たな基地は造らせない」という政治姿勢を貫き、それは今や長年米軍基地の押し付けを強いられてきた沖縄県民の総意となりました。しかし、沖縄県知事は県民の民意を無視し、昨年12月27日に政府による辺野古の埋立て申請を承認しました。このような状況の中、去る1月に行われた名護市長選挙において、私はこれまでどおり「辺野古の海にも陸にも基地は造らせない」という公約を掲げ再選を果たすことができました。これは名護市民の「新基地反対」の民意であり、政府の圧力に屈することなく民意を示した名護市民を誇りに思います。

 私は今後ともいかなる圧力にも屈することなく信念を貫き不退転の覚悟をもって臨んでいく決意であります。どうか、多くの皆さんが私の政治姿勢に共感し、名護市辺野古に新たな基地は造らせないようご支援いただきますようお願いします。

2014年5月           名護市長  稲嶺 進

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