韓国の統一地方選挙(2014年6月4日)の結果について

丸山茂樹(日本協同組合総合研究所(JC総研)・参加型システム研究所、客員研究員)

再選を果たした朴元淳ソウル市長

再選を果たした朴元淳ソウル市長(左から2番目)

1. 朴槿恵大統領の与党は大敗を免れた。勝者はない。野党陣営にも課題は山積している。
 原因は単純ではないが、保守勢力の根強い組織力・官僚体制・財閥・地域主義・マスコミ支配と朴槿恵の人気の高さ…民主進歩陣営内部の弱点の中身の検証が必要。

2. ソウル市長選で朴元淳氏が勝利した。同氏は『協同組合都市―ソウル基本計画』を掲げており、格差社会(韓国では〈両極化〉と表現している)をもたらすグローバリゼーションへの対案(オルタナティブ)を市民参加型社会の創造―「社会的経済の創造発展」として示し実践しているという点で注目される。

3. 「教育監」選挙で民主進歩派が勝利。日本では余り報道されていないが、知事や市長と同格の教育行政のトップである「教育監」が17道・広域都市のうち13道・広域都市で民主進歩派が勝利している。これは非常に重要な政治意識の反映である。即ち韓国の格差社会〈両極化〉は、教育現場―子供たち・父母・教師たち―に重い精神的・経済的負担になっており、人々は切実にその解決を求めている。

4. 左翼党派の衰退
 韓国の左翼は民主労総を基盤にして民主労働党を結成したが、北朝鮮の核・ミサイル開発や民主主義の欠如に対する対応、党内民主主義の問題点などをめぐり3分裂した。
 今回の選挙では(1)統合進歩党(2)正義党(3)労働党の総計でも、地方議員数は全2898議席中、前回(2010年)の164議席から56議席へ約3分の1に。首長は3名からゼロになった。
 理由についてはいろいろな立場からの意見があるが、主な批判は「北寄りだ!」という批判と官憲の弾圧。「議会で如何なる役割を果たすのか?」というオルタナティブとしての提案と実践が欠如した批判オンリー。連帯戦線の姿勢の不足…等を指摘する意見がある。

5. 次への注目点―野党第1党の新政治民主連合の行方
 最良のシナリオ=朴元淳氏の勝利が最大野党の新政治民主連合に好影響を与え,オルタナティブの提案と実践、市民参加の政治へと団結して進んでゆく。
 最悪のシナリオ=内部には地域主義、中道右派、労使協調主義の労働組合幹部などの諸勢力が少なくない。また旧金大中派、旧盧武鉉派、安哲秀に近い人々など雑多な要素が混在している。勿論、市民運動、女性運動、労働運動、協同組合運動で鍛えられた人もいる。これ等が思惑でポスト争いや派閥抗争で分解して2017年大統領選挙を迎える。

【参考資料】『ソウル特別市社会的経済基本条例』(2014年5月14日公布・施行)

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行動予定

10月
31
13:30 “他者への想像力”を~日韓の歴史認... @ オンライン
“他者への想像力”を~日韓の歴史認... @ オンライン
10月 31 @ 13:30 – 16:00
“他者への想像力”を~日韓の歴史認識をめぐる問題にジャーナリストと共に目を向けて @ オンライン
【同時通訳付き Web開催】 SJFアドボカシーカフェ第67回 “他者への想像力”を ~日韓の歴史認識をめぐる問題にジャーナリストと共に目を向けて~  組織ジャーナリズム・メディアの報道に接する日々において、政権に対する「忖度」やフェイクニュースの横行など目を覆うばかりの状況に不信感や危機感が高まっています。  長年メディアの中で活動をしてきたベテラン(?)のおじさん・おばさんたちも危機感を共有してきました。そこから、ジャーナリストを目指す若い人たちに「権力を監視し、市民の側に立つ」という姿勢を育んでもらおうと、「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」の活動が3年前から始まりました。  なぜ「日韓」なのか。日韓の間には、従軍慰安婦や徴用工の人たちのこと、強制労働など、今も「歴史認識」をめぐる問題が横たわっています。その解決のためには、まずお互いが相手を学び、理解していくことが必要です。その行為は、ジャーナリストにとって大切な“他者への想像力”に思いを寄せることにもつながります。  ジャーナリストが日々伝える「今」の一つひとつは、「過去」つまり歴史を背負っています。そこに目を向けられるようなジャーナリストが日本で、韓国でニュースを発信していければ、今のメディアは少しずつ変わっていけるのではないか。そんな日韓学生フォーラムの試みをもとに、日韓の皆さんと歴史認識を共有する道を探っていければと思います。 ゲスト 〇植村隆さん:  1958年、高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒、82年、朝日新聞社入社。大阪社会部記者などを経て、テヘラン、ソウル特派員。北海道報道部次長や外報部次長などを経て、北京特派員、函館支局長など。2014年、早期退職。17年秋に「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」をジャーナリスト仲間たちと立ち上げる。また現在まで、16年より韓国カトリック大学客員教授、18年より週刊金曜日発行人兼社長、19年6月から「金曜ジャーナリズム塾」塾長も務める。 〇西嶋真司さん:  1957年生まれ、早稲田大学卒。81年に「RKB毎日放送」入社。記者として報道部に配属され、91~94年にJNNソウル特派員。2000年に制作部に異動し、ドキュメンタリー番組を制作。18年に退社し、映像制作会社「ドキュメント・アジア」を設立。ドキュメンタリー映画の代表作に『抗い 記録作家 林えいだい』。現在は元朝日新聞の植村隆記者のバッシング問題をテーマにした映画『標的』を制作中。 〇「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」に参加し、現在メディアで働く記者や学生も出演します。 詳細 ●日時: 2020年10月31日(土)  13:30~16:00 ※受付時間13:00~13:25 ●会場: オンライン開催 ★オンライン会議システム・Zoom(言語通訳機能付き)を使用します。スマホやPC等の端末から参加いただけます。参加方法の詳細は、お申込みくださった方に10月26日までにメールいたします。 ★グループ対話セッション(逐語通訳付き)や、ゲストとの対話も行う予定です。聞くだけの参加も可能ですが、この対話の場を一緒につくれるよう、お声を出していただけましたら幸いです。参加者さまのお顔は写らないよう初めはこちらで設定いたしますが、グループ対話中は、自主的にお顔を写していただけます。 ●参加費: 無料  ※通信料は参加者さまのご負担となります。 ●お申込みフォーム: https://socialjustice.jp/20201031.html ★先着50名様。完全事前登録制(上記フォームからのみの受け付けとなります)。 ★締め切りは【10月25日】、または【定員に達した時点】の早い方とさせてください。 ●イベントホームページ: http://socialjustice.jp/p/20201031/ ★同時通訳(日本語・韓国語)をいたします。 ★韓国語でのご案内ページ http://socialjustice.jp/p/ko20201031/ もございます。オンライン開催のため韓国など海外からの参加も容易です。もしお知り合いで韓国語でのご案内の方がよろしい方がいらっしゃいましたら、こちらのリンクを広めていただけましたら幸甚です。 ― 助成: オープン・ソサエティ財団/JANICグローバル共生ファンド ― ■主催・お問い合わせ先: 認定NPO法人まちぽっと ソーシャル・ジャスティス基金(SJF) メール: info@socialjustice.jp
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