8月15日でなく9月2日こそ敗戦の日 歴史の真実から逃げるな
8月15日。マスコミは一斉に「終戦の夏」と表現する。戦艦ミズーリ号上で連合国への「無条件降伏文書」に署名した9月2日を「敗戦の日」とせず、恣意的に変えている。それは「財閥解体」「小作制の打破」「教育民主化」など、戦争遂行旧勢力の一掃という事実から目をそらさせ続ける歪曲だ。
「敗戦」をいつからか「終戦」と言い換え、玉音放送のあった15日を終戦の日とし、「天皇は戦争を終わらせた功労者」と歴史を歪曲したがる権力層は言い始めた。
天皇の名のもとに戦争は始められ、軍民あわせて200万人以上にもおよぶ日本の尊い命が失われた。日本が侵略したアジア各地域にも甚大なる被害を与え、日中戦争以降の中国側被害は軍人、民間人あわせて死者約2400万人(民間人は主に各地陥落後虐殺された)。日本軍属として朝鮮、台湾で約40万人、日本軍の華僑虐殺でシンガポールで5万人。日本軍に抵抗したインドネシアで400万人、インド350万人、フィリピン100万人。真珠湾攻撃の同日マレー半島に侵攻した日本軍に農産物を略奪されたベトナムでは餓死者200万人‥‥その他合わせて4千万人ものアジア各地の人命を日本の兵隊は、「大東亜共栄圏・八紘一宇」の美名のもと、限りなく奪い続けたのであるまさに人類史上、最悪で最残酷の軍隊でなかったか。
安倍政権の下、いつかきた道に日本は進もうとしており、歴史の教訓を活かすことが求められる。(中小企業組合総合研究所『提言』8月1日号1面より)
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