主張】第二次改造内閣発足 – 安倍政権打倒へ 大運動起こそう!

侵略戦争正当化・改憲の「日本会議」が内閣を占拠

民意切り捨て、戦争への道を急ぐ安倍政権打へ大運動起こそう!

■全閣僚19人のうち「日本会議」議連から15人

 9月3日、第二次安倍改造内閣が発足した。石破問題でマスコミが騒いでいる裏で着々と進められていたのは、日本の侵略戦争を正当化する改憲・超タカ派右翼団体「日本会議」の「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)の所属議員が続々と入閣したことだった。安倍首相や麻生財務相を含めて第二次改造内閣の19人の閣僚のうち15人がこの「日本会議議連」所属である。ここに安倍政権の超タカ派・右翼的性格も極まった。しかしこれは安倍政権の強さでなく追い込まれた危機感、その権力構造の脆弱さの表れとみるべきである。
 以下、今秋―来年への攻防戦との関係で改造内閣の具体的狙いを考える。

■今秋―来年に向かう「国のかたち」を巡る攻防

事前予想を覆し自公政権が敗北した滋賀知事選(7・13)

事前予想を覆し自公政権が敗北した滋賀知事選(7・13)

 安倍政権の「集団的自衛権行使」への一連の暴挙を巡る攻防は、「平和国家」から「戦争国家」へ、戦後史を画す「新たな戦前」に向かう時代のその入り口での攻防である。しかしこの「国のかたち」を巡る歴史的攻防の勝敗に決着がついたわけではない。沖縄の辺野古新基地建設へのボーリング調査阻止の闘い、滋賀県知事選に続く福島(10月)と沖縄(11月)の県知事選の勝敗、年末の「日米ガイドライン安保」改定作業と消費税10%再増税、来春の統一地方選、そしてその後に先送りされた自衛隊法改定など「集団的自衛権行使」のための関連法案を巡る国会審議へと続く、今秋から来年への闘いがその勝敗の行方を左右する。

 政権復帰以来1年8か月。秘密保護法の強行、「集団的自衛権行使」容認の閣議決定、辺野古新基地建設強行、8%消費税増税、汚染水の垂れ流しと被災地切り捨て、TPP交渉参加、原発再稼働へと暴走してきた安倍政権は、中国、韓国との緊張激化と共に、いずれの問題でも反対と怒りの世論に包囲され、高支持率も過半数割れとなり、4―6月期の国内総生産(GDP)はマイナス6・8%に落ち込み「アベノミクス」の化けの皮が剥がれ落ちつつある。
集団的自衛権に反対する人々(6・30 官邸前)

集団的自衛権に反対する人々(6・30 官邸前)


 安倍首相が3日の記者会見で「日本を取り戻す戦いの第2章」「パワーアップし政策実行していく有言実行内閣」と見えを切ったのも、これら政権の内外に火を噴いている矛盾と破綻を繕い体制を立て直すことなしにこの「第2章」に進めないとする政権側の危機感を示したものである。

■安倍改造内閣の布陣と狙い

 今回の内閣改造・自民党役員人事の狙いの第1は、麻生副総理兼財務相、菅官房長官ら6人の重要閣僚を留任させ、冒頭に述べた「日本会議議連」所属議員で要所を固め、安倍と菅官房長官が陣取る官邸主導で米帝追従の「戦争国家」路線を推進する資本の独裁政治の基本構図である。懸案の課題を目の前に内外の矛盾の激化、大衆運動の盛り上がりを強権的に押しつぶしてでも戦争政策を遂行し、政権の長期延命を図る狙いである。

第二次安倍改造内閣

第二次安倍改造内閣

 第2は、沖縄・辺野古新基地強行、「集団的自衛権行使容認の閣議決定」の具体化、アメリカより期限を切られた年末「日米軍事協力指針」改定に向けた布陣である。仲井真県知事を「辺野古移設承認」に公約破棄させた菅官房長官が「オール沖縄」の切り崩しと新基地強行の指揮を執り、「閣議決定」の具体化のために与党協議の座長高村党副総裁と秘密保護法、武器輸出解禁などの政策を推進した磯崎首相補佐官を留任させ、新設した安全保障法制担当を江渡防衛相が兼務し、新ガイドライン改定、来年の通常国会での自衛隊法改定などを乗り切る狙いである。

 第3は、10%消費税の再増税に向けて、石破幹事長続投を退けて谷垣前総裁を据えた狙いである。安倍政権は経団連をはじめ大企業の意を受けて12月に来年10月からの10%消費税の再増税に突き進もうとしている。谷垣新幹事長こそ民主党政権時代に民主・自民・公明の「3党合意」で消費税増税法を成立させレールを敷いた張本人であるからだ。しかも谷垣幹事長は「日本会議議連」の顧問でありながら、二階堂総務会長とともに中国にパイプを持ちこじれた日中関係の再構築を、また集団的自衛権問題で「平和の党」路線を投げ捨てさせたものの公明党の選挙協力なしには勝てない来春の統一地方選に向けてぎくしゃくした両党関係の再構築をも狙った布陣と言える。
新幹事長に就任した谷垣

自民党幹事長に就任した谷垣禎一



 第4は、塩崎厚生労働相の抜擢人事は、その就任会見で130兆円に上る年金積立金を株式運用することを公言したように、医療・年金・介護など社会保障制度の解体、廃案となった「労働者派遣法改悪法案」の今秋臨時国会に再提出を狙ったものである。

 第5は、原発再稼働、TPP参加の強行に突き進む布陣である。安倍政権は福井地裁の大飯原発の運転差し止め判決、原発事故での原発と自殺の関連を認めた損害賠償判決を無視し、原発再稼働の矢面に「女性で子育て中」の小渕経産相を配置し、またTPP交渉推進の先頭に立ってきた自民党の西川TPP対策委員長を農水相に抜擢し、それぞれ世論と反対を押しつぶして強行する狙いである。

 第6は、「女性の登用」と称して、稲田明美自民党政調会長、山谷えり子拉致担当相、有村治子少子化担当相、「河野談話」の撤回・見直しや国家周辺でのデモ規制強化を求めてきた高市早苗総務相など4人の「日本会議」所属議員を入閣させた。15名もの侵略戦争を正当化する議員の先頭にこれらの女性を配置し、敗戦70年目の節目となる来年、アジアへの侵略戦争の反省と謝罪を示し歴代日本政府の公的態度としてきた「村山談話」「河野談話」を否定し、安倍新「談話」発出の野心が透けて見える。「女性の登用」一般を否定しないが、それを喧伝しもって女性を戦争に動員していく安倍政権の「差別と利用」主義を、これを賛美し事の本質の隠蔽に加担するマスコミを指弾しておかねばならない。

■辺野古阻止、県知事選勝利こそ今秋の反転攻勢への要
 沖縄と本土を結び、大衆的闘いのうねりを


「埋め立てを中止しろ!」辺野古ゲート前を埋め尽くす3600人の市民(8・23)

「埋め立てを中止しろ!」辺野古ゲート前を埋め尽くす3600人の市民(8・23)

 第二次改造内閣は、発足のその日から内外からの批判や抗議の火に包まれている。

 内閣改造のその3日、沖縄県議会では辺野古新基地建設工事の即時中止を求める意見書が可決された。沖縄では、連日、沖縄の民意、人権を蹂躙し、卑劣極まる暴挙を繰り返す安倍政権に対して、「島ぐるみ会議」の大動員によって闘いが続けられており、最近の世論調査では新基地中止を求める声が80・2%、安倍政権不支持は81%に達し、11月の県知事選勝利に向けて歴史を画する闘いに入っている。選挙結果は、辺野古基地問題、日米両政府の安保政策を左右する。(関連記事

 海外からは、国連人種差別撤廃委員会が沖縄の辺野古新基地建設問題で「地元住民の民意尊重」を指摘し、中国政府やイギリスの新聞などが安倍改造内閣の「軍国主義」への危惧・批判を強め、国際的経済学者・クルーグマン氏は「日本経済は消費税10%で完全に終わる」と指摘している。

 沖縄をはじめ内外の闘いと結び、今こそ、辺野古新基地建設・原発再稼働・消費税10%阻止、「集団的自衛権行使の閣議決定」撤回を求めて闘う全国のうねりをさらに大きく広げ、その大衆運動の力で安倍第二次改造政権を打倒し、その戦争政策を打ち砕いていく秋(とき)ではないだろうか。その先には、わたしたちが歴史とどう向き合うかが改めて問われる敗戦70年目の節目がやってくる。時代を画す闘いに、心して臨もう!  (9月3日記)

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