排外主義と闘う門真市で反ヘイト対策講演会

反ヘイト対策講演会

「排外主義」と闘う門真市で、理論学習会に70名

ヘイト研究家・前田朗東京造形大教授招き


前田朗東京造形大教の講演

前田朗東京造形大教の講演

 社会を脅かすヘイト暴力を繰り広げる反人権集団に公共施設は使わせないとの固い意思を打ち出す大阪府門真市。従来これら右翼街宣行動に及び腰であった他の自治体姿勢を正す機会として7月26日同市主催で、反ヘイトの専門家を招いての講演学習会があった。
 これは門真市議で連帯議員ネット戸田ひさよし代表の活動により成果となりつつある動きであり、集会では「ザイトク退治の究極バイブル」と銘打った戸田事務所制作〈ザイトク対策研修動画〉DVDも放映され、今回集会で確認された〈行政による施設利用拒否の論理の正当性〉と合わせ、「集会・表現の自由」の問題で揺れ動く周辺自治体行政マンには何よりの理論武装の材料になるだろう。

ザイトク対策研修動画DVDを武器に、戸田市議

 当日は、反ヘイト研究とそれへの対抗運動での第一人者・前田朗東京造形大学教授を招き、〈表現の自由だとして〉市の街頭や公共施設で「朝鮮人は皆殺し」など直接的脅迫のスピーチ、「南京大虐殺は無かった」など歴史捏造展示ほか憎悪をまき散らす一方の在特会らに対して、自治体当局がいかにこれら犯罪集団から市民の人権や生活の安心を守って行くべきかの対策と、公共施設を使わせない論理と倫理が同氏から語られた。※大要は下記

対ザイトクDVD(全国200円で販売中)

対ザイトクDVD(全国200円で販売中)

 門真市文化会館ホール会場は、周辺自治体行政マンや議員・市民グループ・報道など70名の代表が集まり、門真市が前進する元となった動画〈門真市でのザイトク企画への許可取り消しはこうして実現、発展した!〉など同市の反ザイトク施策形成のためのDVD(全国200円で販売中)を見聞。前田教授の講演と質疑応答、さらに現状周辺地域でザイトク主催の企画問題が発生中の大阪府堺市・高槻市・奈良県生駒市での許可取り消し運動の情勢など報告と意見交換会があり、多くの参加者が人種間憎悪をかき立てる右翼集団への警戒や排外主義と闘うとの意思を明確にする事の必要性を痛感した。

 報告会では某市事例で、ザイトク活動を把握せず、表現の自由の問題と上つらだけ撫でて「貴方の意見には反対だが、それを主張する権利は命をかけて守る」と、フランス思想家の弁をひけらかし得意ぶる市長の存在が、人権加害を助長するなどとの報告もあって今後も余談は許されない情勢だ。
 ただ、この26日前日にも門真市が前田教授を招いて200名を超える全部署職員での反ヘイト研修を実施するなど具体的前進も徐々に実を結びつつあり、戸田市議は〈差別落書きを許さない〉など従来からの人権意識の透徹の面でも部落解放人権運動でのリーダー方にも運動連帯を広く呼びかけたいとしている。

前田朗教授の論説大要

ヘイト研究運動での第一人者・前田朗教授

●前田朗(まえだ あきら)、東京造形大学教授・法学者。専攻は刑事人権論と戦争犯罪論。民主法律家協会理事で無防備地域宣言運動全国ネットワーク呼びかけ人。『ヘイト・クライム ―憎悪犯罪が日本を壊す―』(三一書房)、『人道に対する罪、グローバル市民社会が裁く』(青木書店)ほかの多くの著書で今注目の実践的研究家だ。

「大阪府人権条例から見ても正当な門真市の施設利用拒否」

 「今日もなお、社会的身分、人種、民族、借条、性別、障害があること等に起因する人格侵害が存在しており、また、我が国においても人権に関する諸課題が存在している」(大阪府人権条例前文)として、「この条例は、人権尊重の社会づくりに関する府の責務を明らかにするとともに、府民の人権意識の高揚を図るための施策及び人格擁護に資する施策(以下「人権施策」という。)の推進の基本となる事項を定め、これに基づき人権施策を実施し、もってすべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現を図ることを目的とする」(第一粂)としている。
 大阪府条例の精神に照らしても、今回の門真市の施設利用拒否は極めて正当な措置であったと言えよう。
 ヘイト・スピーチの処罰と公共施殻の利用開題は性格が異なる。日本政府が人種差別禁止法もヘイト・スピーチ法も否定しているため、ヘイト・スピーチが犯罪とされていないし、条例で犯罪化することも難しい。しかし、公共施股の利用問題は、ヘイト団体に対する不利益処分という以前に、政府が人種差別に加担することの可否の問題であるから、条例によって対処することが可能であるし、対処するべきである。
 適切な条例を有していない自治体では、差別に加担しないための条例制定が必要である。
 在特会による過激で常軌を逸したヘイト・スピーチ、ヘイトデモに対して、少なからぬ自治体が適切な対応を取ることができなかった。山形県や門真市の実例を参考に、早急に議論を深め、今後の実務に反映させる必要がある。

前田朗教授の著書

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