立命館大学・ヘイト右翼への反撃<今に向き合う会・結成>

ヘイト右翼集団の攻撃に対し、大学は毅然とした態度を


■「立命大朝鮮人講師・署名疑惑事件」とその後

「立命館・今に向き合う会」の講演会

恒例の立命館土曜講座も「ヘイトスピーチとレイシズムを考える」のテーマで開催された(10月25日)

 インターネットサイトや2チャンネルに常駐して、一般市民に対し、ヘイト意識剥き出しでの言論暴力をまき散らすいわゆるネトウヨ(インターネット右翼)たち。少しでも現安倍政権。保守陣営との方向とは違う言論(民主的?)があれば、これを「反日」とか「売国奴」など罵声を浴びせ、有頂天になっている極めて下劣で恥ずかしい一団がいる。

 これらひと握りが、今年1月頃から「立命大朝鮮人講師・署名疑惑事件」というネット上での騒動を巻き起こして来た。
 その内容とは、〈立命館大学・産業社会学部の朝鮮人講師が生徒に「朝鮮学校の授業料無償化を求める文部科学大臣宛のメッセージ」を授業で出席カードと共に書かせた〉として、いかにも講師が受講生に〈圧力をチラつかせ署名を強要した〉という悪質なデマなのだが、K講師の実名を晒して、事情を知らぬ一般(?)からの攻撃書き込みでネットが炎上した。

 実際は、受講に出席した学生が回した自主的で通常の強要性のないものなのに、いかにもその場で講師がパワハラ的権威を振りかざし、学生たちに署名を強要させたとの内容に仕立て上げ、Kさんを精神的な暴力で痛めつけ、同時に東アジア平和交流の実を上げる同大学の名誉を失墜させようという悪意に満ちたものだった。

■「立命館・今に向き合う会」の結成へ

「立命館・今に向き合う会」発足会議の様子

「立命館・今に向き合う会」発足会議の様子

 この反動的風潮に対し、同大学の教員8人が「立命館・今に向き合う会」(共同代表勝村誠政策科学部教授)を結成し、現総長に「毅然とせよ」と求めた。事件に対するこれら右翼の者どもへの当局の不用な謝罪についても、教職員から批判の声がわき起こり、教員らは、声明書の撤回やヘイトスピーチに関する教育の見直しを求める要請書を2月に総長へ提出、2度にわたる総長との懇談会の結果、大学は声明文を大学ホームページから削除し、7月には今後の新たな取り組みを確認した。取り組みの内容は「ヘイトスピーチ等差別的言動防止に関する取り組みについて」(下記に転載)に集約されているが、大学側の公式な発表には9月25日現在至っていない。

 同会は大学の公式発表までを見守るとともに、独自の活動に取り組むとして、社会システム研究所アジア社会研究会と共催するヘイトスピーチの研究会を、10月9日草津キャンパス、続く25日衣笠キャンパスでと連続開催し、学生大衆への理解徹底を急いでいる。

■女性講師が安心できる環境作りを

 ネトウヨによる執拗なネット上への顔写真~実名の公開により、開講を不安視する女性講師。安心できる環境作りについて、勝村教授は「大学側の事なかれ主義に対する批判はした。あとは一刻も早い取り組みの公表を」と話しており、全学での意識共有が求められるところだ。
(関西・S)

*立命大朝鮮人講師 署名疑惑事件

 昨年12月、在日朝鮮人女性講師が担当する授業において、学生団体の学生が朝鮮学校の高校無償化を求めるメッセージカードを配布した。その後受講生とみられる人物が署名を強要されたという虚偽の内容をTwitterに投稿。講師の実名も公開したため、今年の1月11日より講師に対するネット上の個人攻撃が相次いだ事件のこと。
 大学当局は講師から事情を聞き「攻撃に屈しないよう」激励した。ところがその翌日に大学側が出した声明文では、事実経過と並べて「講師を指導した」という文言があり、事件について「謝罪」した。こういった大学側の被害者を守らない事なかれ主義的な対応に、教職員から「もっと毅然とせよ」という批判の声が上がり、その後の経過につながったものである。

立命館大学「ヘイトスピーチ等差別的言動防止に関する取り組みについて」
2014年7月14日 常務会議
2014年7月16日 常任理事会
(報告:総務部)


 2013 年度後期の授業時間内において学生により署名活動が行われた問題と関連してヘイトスピーチによる人権侵害がネットを含めて発生しているとの訴えが出されてきた。
 この問題について常任理事会(2014 年 2 月 19 日)は、立命館憲章に照らさずともレイシズムやヘイトスピーチは許されるものではなく、いわんやインターネットの匿名性を利用した特定個人に対するそれは許されるものではないことを確認した。その上で、教育研究機関である大学として、立命館憲章の理念にのっとり、人権教育およびネットワーク利用におけるモラル向上等の課題について、これまでの教育実践等を踏まえた、より一層の取り組みについて、教学部門をはじめ全学において検討することとした。
 この課題について、いくつかの取り組みについては既に進められており、その概要について報告するとともに学園として一層の具体化を図ることを確認する。

1.取り組み計画および内容

(1)「未来を拓く 2015」発行に向けた取り組み(教学部)
大学入学直後の学生が直面するさまざまな問題を乗り越え、大学での学びを進めることを目的として編集している「未来を拓く」2015 年度版において、グローバル化等の社会環境変化とヘイトスピーチやヘイトクライム等の人権問題に関する内容を組み入れる。

(2)基礎演習等の小集団教育での取り組み(各学部)
この教育課題に対して「未来を拓く」等を活用して、各学部の基礎演習等において取り組む。

(3)FD活動での取り組み(教学部、各学部)
この課題は教育的課題であることに鑑み、FD懇談会等のテーマとしてこの問題および課題に関する正確な理解と教育実践を共有することを通して教育の質的向上を目指す。

(4)ソーシャルメディアの活用に関する教育的取り組み(学生部、情報システム部)
2013 年に学生に対して「SNS 利用にあたって知ってもらいたい5つのこと」を大学として確認し、これまで新入生を中心に配布し、教育・啓発に取り組んできた。本年 7 月に開催する「社会で、就活で役立つ SNS 講演会」(主催:学生部、共催:キャリアセンター、ハラスメント防止委員会)においては、就職活動の場面や実社会における SNS の活用状況と比較して、学生同志の SNS が抱える問題点を明らかにすることを目指している。また、SNS は特別な場ではなく、実社会と同様に倫理観や人権意識が重要であることを踏まえた講演会を実施する。

(5)生涯学習での取り組み(研究部)
2014 年 10 月の「土曜講座」において、ヘイトスピーチとレイシズムをテーマとした特別講演会の企画を検討している。

(6)職員研修(人事部)
社会が多様化する中での相互理解に関する内容を織り込んだテーマで夏期の職制研修を実施する。

2.ヘイトスピーチ等の被害への対応

 立命館大学ハラスメント防止に関する規程第二条(1)において、「ハラスメント」とは、教職員が他の教職員、学生もしくは関係者に不利益や不快を与える人権侵害の言動、または学生もしくは関係者が学生もしくは教職員に不利益や不快を与える人権侵害の言動をいう。と規定している。ヘイトスピーチ等による人権侵害の言動については、ハラスメント行為と考えられる場合もあり、その際にはハラスメント防止委員会として対処する。
 また、ハラスメント防止委員会としては、ハラスメントに関する研修において人権擁護に関する事項も含めた内容に随時変更を加えていく。
以上

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