韓国ソウル市にて グローバル社会的経済体創立される

 11月17日~19日、韓国ソウル市にて「グローバル社会的経済フォーラム(Global Social Economy Forum)2014」(略称「GSEF」ジセッフ)が創立された(→公式HP)。以下、ソウル宣言の会HPから丸山茂樹さんによる参加メモ(速報)と、東京新聞の記事を電子版として紹介する。
2014グローバル社会的経済協議会の創立総会&記念フォーラム(GSEF2014)メモ
丸山茂樹(「ソウル宣言の会」事務局として)
2014グローバル社会的経済協議会の創立総会&記念フォーラム(GSEF2014)
1)GSEF2014の最も重要な意義

 2014年11月17~19日に韓国・ソウル市で開かれたGSEF2014は、社会的経済と地方政府(自治体)が参画する国境を超えた恒常的な連帯組織を誕生させた。投機的な金融資本を初めとする新自由主義の担い手達の貪欲な振る舞いに対して、抗議や批判の声を上げるだけでなく、実行力と智慧を持つ人々の人々による人々のための運動と組織…協同組合を初めとする社会的経済組織と地方政府(自治体)と研究者たちが対案(オルタナティブ)を創造し実践しながら、組織力と財政基盤をもって、定期的に活動することのできる陣地を構築したという事である。すなわち、GSEF憲章を定め、これに基づきGSEF総会・運営委員会・事務局が設置された。今後、正会員・準会員・名誉会員の加入を順次増やしてゆくことになる(GSEF憲章英語版はこちら)。

2)次回は2016年カナダ・モントリオール
2014グローバル社会的経済協議会の創立総会&記念フォーラム(GSEF2014)
 次回の総会とフォーラムは、2016年にカナダ・モントリオール市で開催される。ケベック州とモントリオール市及びケベックを代表する社会的経済の推進団体であるシャンティエとコンコルディア大学のカール・ポランニー研究所が招請した。事務局が設置されたソウル市と韓国の社会的経済組織、モントリオール市とケベック州の社会的経済組織の4者が協力して準備に当たる。

 また、スペインのバスク州政府の閣僚であるジュアン・マリア・アブウト・リック氏が、「まだ閣議決定をしていないが次々回2018年にはモンドラゴン協同組合企業グループ、モンドラゴン大学を含むバスク州へ招致したい」と意思表明した。モンドラゴンは中核であった家電メーカー・ファゴール協同組合が倒産するという深刻な打撃を受けたが、その教訓をまとめ上げ共有することを通じて新たな前進の道を進むという意欲的な報告もなされた。

3)GSEF2014には日本から100名余が参加

 GSEF2014には日本から労働者協同組合連合会50名、「ソウル宣言の会」44名、その他、川崎市、京丹後市、立命館大学、明治大学など100名以上が参加した。労働者協同組合が主宰するセッション、ソウル宣言の会が主宰するセッションもあった。初日に開かれたパーティでは柳沢敏勝・明治大学教授(日本協同組合学会会長)が挨拶と乾杯の音頭を取った。最終日の「GSEF憲章」の採択をめぐる意見表明には4人の演説者が立ったが、丸山茂樹(「ソウル宣言の会」コーディネーター)が日本の経験を語りつつ積極的な賛意を表明した。

4)成功した日本の11.2「ソウル宣言プレ・フォーラム」

11.2「ソウル宣言プレ・フォーラム ソウルで開かれるGSEFに向かって日本で「ソウル宣言の会」と明治大学日欧社会的企業比較研究センターの共催による「ソウル宣言プレ・フォーラム」が、2014年11月2日に明治大学リバティータワー・ホールで開かれた。

 テーマは「新たな協働の発見―より良き未来を夢見て境界を越え協力と連帯を追求するグローバル社会的経済の集い―」であった。「ソウル宣言の会」はパルシステム生協連合会を初めとする生協人、松岡公明氏ら農協人、関西生コン労働組合・中小企業協同組合の関係者、社会的経済の研究者など、「ソウル宣言」を知る人々のネットワークとして組織された。また明治大学の日欧社会的企業比較研究センターは、中川雄一郎教授や柳沢敏勝教授など日本の協同組合研究をリードしてきた人々によって設立された。プレ・フォーラムは、下記の内容であった。

■司会:野々山理恵子パルシステム生協連合会・東京理事長
■主催者挨拶・講話:中川雄一郎明治大学教授(明治大学日欧社会的企業比較研究センター代表)
■主催側による「ソウル宣言」の趣旨説明
■ビデオ・メッセージ:朴元淳ソウル市長の映像による挨拶
■来賓挨拶:
 ソン・ギョンヨン氏:GSEFソウル組織委員長
 チョン・ジンウ氏:ソウル市社会的経済課長
■基調講演:「ソウル宣言の今日的意義を考える」
 松岡公明氏:農林年金理事長、日本協同組合学会副会長、前JC総研理事
■各分野からの報告
 保坂展人氏:東京都世田谷区区長
 武 建一氏:中小企業組合総合研究所代表理事、連帯労組関生支部委員長
 郡司真弓氏:前WE21ジャパン理事長、
 吉原 毅氏:城南信用金庫理事長
 菅野芳秀氏:山形県置賜自給圏構想
■来賓の挨拶とコメント:
 チョン・テイン氏:GSEF企画分科会委員長

プレ・フォーラムの後に懇親パーティを行った。
参加者:全体で約250名の参加者があり、山形、仙台、関西、九州からの参加者もあった。パーティにも約60名が参加した。
経費:参加者からの資料代ではプレフォーラムの諸経費は賄えなかったが、賛同者、賛同団体からの賛同金によって黒字であった。

★プレ・フォーラムの自己評価
 内容については積極的な評価が多かった。社会的経済の発展を通じて現代の危機を乗り越えようとする「ソウル宣言」の精神と基調講演、各報告者の実践報告が内容・姿勢ともに充実していたとの感想が多かった。参加者の感想や意見はいずれも高い評価であった。

★ソウルの組織委員会の反応
 韓国のGSEFの首脳である3人の来賓は、プレ・フォーラムの開催と内容に満足の意を表していた。創立総会の締め括りの意見表明のスピーカーの1人を「ソウル宣言の会」から出して欲しいとの要請を受けた事にも表れている。
 また、ソウルにおける初日の歓迎パーティにおける乾杯のスピーチと音頭を柳沢敏勝・明治大学教授(日本協同組合学会会長、「ソウル宣言の会」呼びかけ人)が指名された事にも、高い評価が見て取れる。

5)創立総会と記念フォーラム
2014グローバル社会的経済協議会の創立総会&記念フォーラム(GSEF2014)
 全体会、各分科会(セッション)、創立準備会合、その他の団体による独自企画については参加者の報告と意見を聞いたうえでまとめたい。
 我々「ソウル宣言の会」が主催団体である「ソウル宣言の意義と展望」セッションについて。これも皆の論議を経てまとめたい。

6)ソンミサン・マウルの見学

 ソウルにおける市民参加型の街づくりの先進事例である「ソンミサン・マウルの見学」については、パルシステム生協連合会の瀬戸大作氏、若森資朗氏の尽力により、先方の説明企画の設定、訪問先への連絡、ボランティアを含む通訳人の準備、3班に分かれた行動など、周到に計画が練られていた。
 その結果、これまでに得られた情報や知識に加えてさらに新しい知見を得た。参加者のみなさんにはおおむね満足していただいたと考えている。

7)韓国の生協との交流夕食会

 11月17日の夕刻、韓国生協全国協議会のコーディネートにより、韓国を代表する生協連合会の代表者すべての参加を得て交流夕食会を開催することが出来た。
 ICOOP生協連合会、ハンサルリム連合会、ドゥレ生協連合会、幸福中心生協連合会(元女性民友会生協連合会)、大学生協連合会である。
 宴席であり詳しい情報交換は出来なかったが、全ての生協連と面会できた事は意義深い。

8)原州(ウォンジュ)へのツアー

 韓国における協同組合の先駆であり且つ多様な協同組合が多数あって、それぞれが自立しつつも連帯している「協同組合の街」原州へのツアーもまた、若森資朗氏の親しい友人である金 起燮(キム キソプ)氏(元ドゥレ生協連合会常務理事)の訪問先の企画案内・通訳によって極めて充実したツアーであった。

金榮柱先生の原州についての講話、マッカリ懇親会での収穫、原州医療生協、社会的協同組合・原州協同社会経済ネットワークなどの活動の現場の見学の詳細は改めてまとめたい。

9)ドゥレ生協連合の冨川市のチュンドン店の立ち寄り

 連絡の行き違いがあり、説明や交流の予定が単なるショッピングに終わった。事務局としてやや詰めが甘かった点をお詫びしたい。

10)全体のまとめ
2014グローバル社会的経済協議会の創立総会&記念フォーラム(GSEF2014)
 「ソウル宣言プレ・フォーラム」と「グローバル社会的経済協議会の創立総会&記念フォーラム」は大過なく終了した。様々な困難をかかえつつも2つの山を乗り越え得たのは、諸氏、諸組織の善意によるご協力の賜物である。特にパルシステム生協連合会、協同センター・東京、関西生コン労働組合の組織的な支援にこころから感謝したい。
 大勢の人々のご支持と協力を得ることができた背後には、今日の情勢が旧来の思考や行動方式では最早、耐えられない段階にある……パラダイムを転換して新しい連帯関係を創造したい…という欲求が渦巻いていると感じた。

 我々の仕事は、これまでの枠組みを大胆に組み替えて広げ深めて、巨大なうねりを作り出すことである。そのための第1歩は、ソウルで私たちが見聞したことを記録し、語り、伝えることだ。新メディアの活用も必要であろう。
 しかし幅広い人々の協力、キチンと筋道の通った社会的経済と地方政府(自治体)の連帯の戦略と実践に裏付けられた豊富な内容がなければ夢幻に終わる。
 若し我々の努力が実際に稔るとすれば、カナダのモントリオール、スペインのバスクに続いて2020年のGSEFを日本で開催することも視野に入れたい。意欲ある多くの自治体と、社会的経済団体、社会的企業との連携で、開催されることを期待したい。担い手はグッと若くなるであろうが、リタイア世代もまた智慧と経験を生かす場を見出してほしいと思う。

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東京新聞12月2日(クリックで拡大)
12月2日東京新聞
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