88万人の〈世田谷区〉のコミュニティデザイン/保坂展人氏(世田谷区長)

GSEFロゴ11・2「ソウル宣言」プレ・フォーラム――報告(4)
第2部 各分野からの実践をもとにした報告(1)

88万人の〈世田谷区〉のコミュニティデザイン

保坂展人氏(世田谷区長)

保坂展人氏(世田谷区長)(パワーポイントを使用した映像とセットの報告)世田谷区の環境調整住宅は18年くらい前にでき、風の力を利用して風の通りをよくしエネルギーのロスを抑えたデザインだとか、1棟1棟がバラバラな集合住宅を空中廊下でつないで作るなどの工夫がされています。ソウル市長はそれらを視察し、その後の2012年にはソウル市の街作り担当の職員の前で講演をさせていただきました。
 コミュニティデザインという言葉は、もとからあった言葉ですが、住民参加による目に見える雰囲気での参加型の共同の仕組みを指しています。

■「増子高齢化」の世田谷区

地域で支え合って貧困に立ち向かう 世田谷区の人口は約88万人で、これは7つの県の人口より多い数。日本全体は少子化社会で、2009年に人口減少が始まり7万人減って、2010年には12万人、以後減り続け、昨年までに世田谷区の人口と同じくらい減少しました。
 国立社会保障・人口問題研修所資料によれば2020年までに396万人が減ると言われている。これは横浜市あるいは静岡県の人口にほぼ匹敵する数。世田谷区はこれとは逆に、人口がこの5年間で2万5000人増え、5歳までの子どもの数が毎年1000人ずつ増え、65歳以上の人口は16万8000人で、認知症の方が2万人、認知症の高齢者の方も毎年1000人ずつ増えている。だから「少子高齢化」ではなく「増子高齢化」。したがって子育て支援、高齢者福祉に関してこれまでにない新たな社会モデルにチャレンジしていく。社会的企業や公益的事業などの地域住民運営型公共サービスで維持費を増やす準備をしております。

■空き家など地域貢献活用事業モデルについて

 社会的地域的活動をしたいという方にとっての悩みは、「場所が無い、スペースがない」。他方で、日本の空き家は総務省統計では820万戸。東京都世田谷区は全国で最も空き家が少ない地域ですが3万5000もの空き家がある。十分に地域資源として、使用可能なものがあり空き家不動産と地域住民活動とを結びつけていろいろな取り組みが始まり、いま世田谷区には「地域共生の家」が16箇所、地域の福祉のための「ふれあいの家」が区内に12ヶ所ある。空き家等地域貢献活用モデル事業ですが、地域資源として空き家を活用し、社会的地域的な活動、公共的な活動をできないか、ということで進めている。

■地域内分権について

 世田谷では地域内分権を進め、5地域に分けて、1地域あたり人口15万から20万くらい。さらにそれを人口3万人から5万人程度の27の地区に分けた。すべての地区に行政施設がある。

 この27の行政施設を使って2つの事をやろうと。一つは大震災の経験から、災害時にいちばん身近なところでサバイバルできる、地域の顔が見えるつながりを作っていく。もう一つは、さきほど認知症の方が2万人いるといいましたが、身近な福祉の相談窓口として、27地区全部にこれから設置していく。現在はまだ砧の1ヶ所だけで実験をおこなっている段階で窓口には行政職員による「地域包括支援センター」と、区内の800近いサークルからなる「社会福祉協議会」とで相談にのっていく。

 重要なのは、行政側、事業者側の福祉の連携による一体化の窓口ができただけではダメで、そこに住民自身の、社会的事業、新たなソーシャルコミュニティーというものの、様々な形の行ったり来たりがなければならない。こういうコミュニティの体制を今作りつつあるのですが、これを受けて住民参加型の社会的事業がこれから始まると思います。参加を促す仕組みの中で、「車座集会」、テーマ別意見交換会などやり、その議論の中で新しいヴィジョンやアイディアを出していただく。これは、「民主主義の空洞化」と言われている中で、新しい参加の道を示していると思います。

※この他にエネルギー政策について、「屋根ルギー」「ベラルギー」「すだれソーラー」、「売電」、エネルギーの自治体間連携、災害時の広域相互支援体制についてなどの豊かな実例報告がありました。

保坂のぶとオフィシャルサイト  ■保坂展人ツィッター
保坂のぶと事務所(FaceBook) ■世田谷区公式ホームページ ■区長の部屋

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■保坂展人さんの本
 

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