市民参加によるWE21ジャパン&福島の支援活動から実践する新たな社会つくり/郡司真弓氏(前WE21ジャパン理事長)

GSEFロゴ11・2「ソウル宣言」プレ・フォーラム――報告(6)
第2部 各分野からの実践をもとにした報告(3)

市民参加によるWE21ジャパン&
福島の支援活動から実践する新たな社会つくり

郡司真弓氏(前WE21ジャパン理事長)

郡司真弓さん 神奈川の横浜からまいりました。家にあるいらないものを持ち寄ってWEショップというリサイクルショップで販売し、その収益をアジアの女性支援に使うという事業をしながらNGOをする活動をしております。本日は市民の立場から、どのように国を超えて連帯するか、また市民社会を豊かにするかという報告をさせていただければと思います。

■市民による56のWEショップ

 神奈川県にはいま56のWEショップがあり、これを36の地域NPOが運営しており、そのうち3つは私の所属する横浜市泉区が運営している。松岡先生は先ほど「小さい協同組合をたくさん作ってそれをネットワーク化する」とおっしゃいましたが、それを実践し統括しているのがWE21という本部センターです。

 女性が自己決定できる場が非常に少ない。最初、生活クラブ生協で、女性たちが自己決定し、イニシャチブをもって自分たちの意志を表に出していることに、私は非常に驚きと同時に感動いたしました。こういう場をたくさん神奈川県、日本に増やさければならないと、今、15年目を超えました。事業の成果は、年間3億4628万円。仕入れはゼロ。すべてお客さんから提供して下さるものに光をあてて販売する。これも全部女性たちの知恵で、システムも私たちが15年間かけてつくってきた。物品寄付が今や約10万件きていて、ボランティアものべ4万3000人。

■女性の底力

weショップ21 貧困なくそうキャンペーン 女性たちはどこかで社会貢献したい、普通の主婦で終わりたくない、自己実現をしたいという方がたくさんいる。この3億4628万円はやっぱり女性の底力を現している。 ショップはすべて広報の場、学習の場で、地域の資源と資源をつなぐ場です。うちの泉で年一回生協、地場の農業、障がい者の施設、そういうところを「ショップ」という拠点を通して、お祭りをして地域の人と人をつなぎ、資源と資源をつなぐ場としてやっております。

 その他に、支援金をそういうアジアの女性たちとつなぐ場としても活用している。私たちはモノは送りません。大量生産・大量消費したツケをあなたの国に負わせないということで、お金を送ります。彼女たちは「支援のお金よりも、私たちを忘れない日本の女性たちがいる」ことが非常に心強いと。苦しい時に「ああ、日本の女性たちが来たね」ということで、やっぱりそういうことでがんばれるんですね。

■WE21の基本理念、そして役割

 それから韓国とも非常に近い関係を持っている。というのは、WE21の基本理念は、平和は武力では作れない、人と人との顔の見える関係で作るといっています。戦争で韓国をはじめとする国々で多くの方々の命を奪い、人権を傷つけたその反省に私たちが立っている。そこでいちばん近い韓国から深い関係を築いていこうと、いま慶尚南道(キョンサンナムド)の地域自活センターとWEショップは事業提携をしてお互いゆるやかに行ったり来たりしております。
we21の理念
 WEショップの役割は何か。活動資金を自分たちで作るということです。日本のNPOとかNGOはなかなか自己資金がなく、寄付とか助成金に頼っていて、それが無くなると活動がしぼんでしまう。そういうことではいけないと、自己資金をとにかく自分たちで作る、あとは学習です。今、WEショップには、男性のお年寄りがひとりで来る。他のお店にはなかなか行きにくい。で、WEショップにくると、ボランティアはみんな世話好きなオバチャンですので、そういうところでコミュニケーションができる。私たちはお店を通して人が連帯・協同し、これが発展すれば豊かな市民社会ができるんではないかと思っています。

■福島から韓国へ

Weショップかながわ大口店 私は福島県いわき市出身で、3・11以降、やはり福島に寄り添うNGOが必要だということで、いわき市出身の女性たちに声をかけて立ち上げました。それが『ここかしこ』という情報誌ほかリーフレットです。今年の1月に初めて韓国に行きイベントを開催しました。韓国は日本の情報といえば放射能の汚染で非常に危ない、非常にストイックに情報が流されていた。韓国で私たちが言ったのは、「放射能は人のからだに影響を及ぼすだけじゃなくて、人のコミュニティも破壊し、心まで汚染する」ということを訴えて、これが非常に共感を得ました。

 私もこの時初めて韓国の原発の現状を知りました。韓国の一番古い原発は福岡に近いところにある。あそこで事故があったら、日本に風が来ますので、やっぱり脱原発のことを日本と韓国は一緒に考えなければならない。韓国はやはりすごいなと思うのは、一緒に考えていこうと始まったのが韓国キャンプ。この夏に福島の子どもたち5人と家族を含めて韓国に行きました。そのキャンプで韓国の子どもたちにも福島を理解してもらうきっかけになったかなと思います。

■海を越えた連帯

ふくしまを応援するグッズの一つ「オーガニックコットン・ミニタオル」

ふくしま応援グッズの一つ
「オーガニックコットン・ミニタオル」

 海を越えた連帯については、いま、ソウルでオーガニックコットンを栽培し、福島のいわき市には復興支援事業として、野菜はだめだから着るものだったらいいという事でオーガニックコットンの事業を展開しました。
 もうひとつは、新たな自然エネルギーのあり方を若者たちが考えようということで、ちょうど先週、フィリピンのマニラで「アジア再生可能エネルギーフォーラム」の来年開催を目指して、準備フォーラムを日本、韓国、そしてマニラのスラム街の若者たちを集め、開催しました。

 連帯するのは簡単なようで難しいですが、WEショップで、リサイクルで、中間支援組織でつながる、脱原発の自然エネルギーなどテーマ毎につながるものを、たくさんの地域のなかにばらまき、関心ある人たちが国を越えてつながるきっかけを作ることが、私たちのNPOの役割ではないかと思っております。

特定非営利活動法人WE21ジャパン(公式サイト)
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