GSEF2014ソウル大会に参加して 2015年各地で報告集会を開きます
若森資朗(「ソウル宣言の会」共同代表・前パルシステム生協連合会理事長)

GSEFロゴ韓国ソウル市 GSEF創立総会報告【3】

GSEF2014のソウル大会に参加して

2015年、各地で報告集会を開きます
若森資朗(「ソウル宣言の会」共同代表・前パルシステム生協連合会理事長)

■日本では知られていなかった「ソウル宣言」

 2013年年11月、ソウル市において、世界から8つの地方自治体、10の団体、そして個人の参加による「グローバル社会的経済フォーラム(GSEF)」が開催された。そこにおいて社会的経済の定着と発展に取り組む「ソウル宣言」が採択された。日本ではそのことは報じられることもなく、また協同組合やNPO、NGO関係者の間でもほとんど話題になることはなかった。

 採択された「ソウル宣言」の意義は、現在の世界危機(富者と貧者の格差拡大、環境破壊、繰り返される暴力・戦争等)が、市場原理主義への過度な傾斜と、ほとんど規制のない金融の世界化の結果だと断じ、それに変わる地域、協同、様々な人の有り様に視点を持った“多元的な経済”を模索する事を提起した。
 現に、社会的経済を指向する取り組が困難と孤立を余儀なくされながらも存在し、この“社会的経済の運動”が、両極化(富者と貧者の格差拡大)、社会的不平等と社会的排除、そして生態系の破壊という諸問題を解決することができる新しい希望として浮上させなければならないことを提起した。

 日本からは地方自治体では京都市、横浜市が参加したが残念ながら「ソウル市との友好都市」としての参加の枠を出るものではなかった。一方、個人の立場で参加した人の中には「ソウル宣言」の意義に触発され、日本においてもそれを確認する活動を行う模索がなされた。

■2014年春、日本で「ソウル宣言の会」の発足

solidarity for change そこで「ソウル宣言」が提起した課題に注目した有志が集まり、その評価を巡り議論を重ね、その意義を広める事を確認し、2014年春に「ソウル宣言の会」を立ち上げた。6月にはソウル大会の開催に尽力してきた朴元淳氏がソウル市長に再選され、昨年以上の大きな大会として「GSEF(グローバル社会的経済フォーラム)2014」が開催される事が伝わり、会としても、日本から多くの人で参加し、その意義を伝えて行くことを確認した。

 11月17~19日のソウル市での本大会に向け、まずは日本でプレ・フォーラムを11月2日東京で開催することを確認した。その内容は各地で行われている社会的経済の実践活動の報告会として設定した。(その内容は「ソウル宣言の会」のホームページを参照してほしい。)

■「GSEF憲章」が採択された

 韓国ソウル市での総会参加は、日本からの「ソウル宣言の会」統一団として28名。北は岩手県、西は愛媛県まで参加があった。また、大阪をはじめ現地で合流した人達も加えて40名以上でその成果を共有した。日本からは他にワーカーズコープ約50名、各地のNPO、NGOの参加があった。地方自治体では川崎市(副市長が全体会で報告)、京丹後市、世田谷区長である保坂展人氏の参加もあった。保坂区長は住宅、福祉に関する区の取組を発表した。また、明治大学、立命館大学、立教大学、首都大学等の研究者の参加もあった。

GSEF2014会場にて ソウル総会の全体会、分科会を通じて世界での「社会的経済」の実践が報告され、日本では失われつつある、地域、人、協同に目を向けた実践が生き生きと語られた。しかし効率と競争と経済成長に過度に毒された私の頭では、日本での実践となかなか結びつかないことも事実であった。
 また一見では、経済成長と新自由主義の立場にある韓国で、国の施策と相反する主張の朴元淳市長が首都ソウル市の市長に再選された事は、私にとって興味深い事であった。朴元淳市長の今までの道のりを辿ると、きっと閉塞状態にある日本の政界・政治に示唆を与えるに違いないと感じた。ともあれ昨年より国、地方自治体、団体、個人共に参加が増えて開催されたことは、「社会的経済の」今日的意義が確実に理解され、必要とされつつあることを物語っている。

 総会の最後に「GSEF憲章」が採択された。この中では国境を越えて社会的経済を実践している団体の連帯組織の誕生を謳い、それを支持し発展させようとする地方自治体の連携を謳っている。このことで今後の実践に弾みがつくことだろう。
 次回は2年後の2016年モントリオールでの開催が決定された。また、2018年はスペインのモンドラゴンでの開催も遡上に上っている。世界はグローバル経済に対抗する協同の動きが活発化し連帯が進もうとしている。日本でもその動きと連帯した動きを定着させていきたいものだ。

 最後になるが、現在、「ソウル宣言の会」では、2015年に各地での報告会の開催し、「報告集」の出版を計画している。またホームページの充実をはかり、情報発信も心掛けていく。これからも「ソウル宣言の会」の活動に理解と支援をお願いしたい。(2014年12月19日記)

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