「GSEF設立」という歴史的瞬間に立ち会って 近畿生コン関連協同組合連合会事務局

GSEFロゴ韓国ソウル市 GSEF創立総会報告【4】

「GSEF設立」という歴史的瞬間に立ち会って

~日本の社会的経済のネットワーク構築への「宿題」~
近畿生コン関連協同組合連合会事務局

■関西からの関わりについて
ソウル市役所前広場にて記念撮影

ソウル市役所前広場にて記念撮影


 私たち関西の運動からいえば、「ソウル宣言」を歴史的な呼びかけであると位置付け、運動を促したのは「ソウル宣言の会」の丸山茂樹氏(研究者)であり、若森資朗氏(前パルシステム生協連合会理事長)ら東京の「協働センター」の力によるところが大きい。

 関西では、労働者(関西地区生コン支部)と中小企業(各種各地域の生コン関連協同組合)の共同闘争によって、大企業(セメントメーカーやゼネコン)の産業支配と対抗してきた。対等な取引関係を作り出し、適正料金の収受、生コンの品質管理強化、安定供給などを果たしてきた。

 私たち関西の運動が、生協運動や労働者協同組合運動と具体的な運動を通して関係を深めたのは、「3・11東日本大震災」復興支援活動である。震災直後の10月に、「協同の力で復興を!仙台シンポジウム」を共同で開催し、生協、農協、労協、事業協組、労組、学者・研究者等が結集し、出会った。それを契機にその後、東京に「協働センター」が開設されて一部では共同の支援事業を実現した。
 さらに、2013年に私たちの闘いの歴史を記した『関西生コン産業60年の歩み/大企業との対等取引をめざして協同組合と労働組合の挑戦』を出版した際、東京において共同で「出版記念シンポジウム」を開催し、相互理解を深めた。

■日本の協同組合運動の弱点の克服をめざして
together
 日本の協同組合運動は、農協の総合的包括的な事業方式や生協の班活動など、運動論においても事業規模においても、世界的水準で成功してきたといえる。しかし、影響力の低下、組織の弱体化が指摘されて久しい。その最大の要因の一つが、各協同組合の〈閉鎖性〉にあるのではないか。協同組合運動は、農業や金融や消費の連携を強めると共に、多くの産業で大企業支配に苦しむ中小企業との共闘をめざしていかなければならないと考える。

 但し、既存の事業協同組合運動は「社会的経済」としての側面が弱かった。経済のモラル化という最重要課題をなおざりにしてきた。組合員企業間の相互扶助に乏しいだけではなく、中小企業で働く労働者の賃金・労働条件の改善が事業の目的の一つであることを念頭に置いてこなかった。労働者への搾取を強めることによって組合員の利益が保障される協同組合とは、矛盾そのものである。もちろん、この矛盾は事業協同組合だけのものでもない。私たち関西の事業協同組合運動はその克服のための一つのモデルを提供しているのではないか。

■「11・2プレ・フォーラム」に関西より労組、協組代表20名参加

11・2「ソウル宣言」プレ・フォーラム会場全景

11・2「ソウル宣言」プレ・フォーラム(明治大学)

 さて「ソウル宣言の会」はソウル総会の前、11月2日、明治大学にて、「新たな協同の発見/『ソウル宣言』プレ・フォーラム」を開催した。この概要報告は、本紙に紹介されているので省略するが、関西からは関生支部役員をはじめ、大阪兵庫生コン経営者会、兵庫・奈良・和歌山県各生コン協組連合会、湖東生コン協組、バラセメント輸送協、生コン輸送協、生コン圧送協、関連連合会の代表20名が参加した。自らの運動への外からの評価に、あらためて確信を持った。

 従来、協同組合運動といえば、農協であり生協であった。日本協同組合学会にあっても、まともに事業協同組合(中小企業運動)が、しかも労働組合とセットになって語られてきたことはない。「ソウル宣言の会」には、生協・農協運動の有力な活動家の他に、我が国の協同組合研究のオーソリティーが参加されていた。幅広い協同組合間共同の実践と研究が進むことを願っている。

■「GSEF憲章」が採択された

 最後に、GSEF設立という歴史的瞬間に立ち会った者として、日本の新たな社会的経済のネットワーク構築を自身の協同組合運動を通してどう展開していくかを<宿題>とした。市場原理主義を批判し資本主義の克服をめざすとして、では、具体的に経済的仕組みをどう変えていくのか。〈社会的連帯経済〉という言葉を対置し、協同組合運動の優位性を語ったとしても、横断的な事業展開や理論的可能性をどう押し広げていくのか。

 私たちの運動は、関西ローカルでいえば〈産業政策闘争〉としての40年余の戦いの歴史を有する。しかし、私たちは「やっとこの地平までは来た」というのが実感である。と同時に、あらたに世界とつながる地平に来たというべきではないか。
 空疎な理念に溺れることなく、また、売り上げや規模だけに堕した事業に足をすくわれないように、進んでいきたい。(2014年12月15日記)

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