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- 「特定秘密保護法」反対、日比谷に1万人が結集
会場の日比谷野外音楽堂に入りきれず周辺にあふれる人々
あらゆる団体が立場を超えて決起した!
安倍政府による世紀の悪法「特定秘密保護法案」の上程が明らかとなり緊急を要する事態となった。これを絶対に廃案にしようと新聞労連、平和フォーラム、5・3憲法集会実行委員会、秘密法に反対する学者・研究者連絡会、秘密法反対ネットの5団体が緊急に集まり、多くの団体に呼びかけて「STOP!『秘密保護法』 11・21大集会~『何が秘密?それは秘密』 それはイヤだ!~」集会を11月21日、日比谷野外音楽堂で開催した。緊急の呼びかけにもかかわらず、政治的立場を超えて1万人もの人々が結集したため、開会時刻の6時30分を過ぎるころには会場が一杯となり、入り口の門扉が閉鎖され、溢れた数千人の人々が野外音楽堂の周辺を埋めつくした。この集会には政党や無所属の区別を超えた30名の国会議員が参加し、このような悪法を許さない意志を示した。
盗聴法に反対する市民連絡会の中森圭子さんの司会で、最初に主催者を代表して秘密法反対ネットの海渡雄一弁護士があいさつ。この日は福島、仙台、埼玉、静岡、名古屋、大阪、広島、沖縄など全国14ヶ所で集会が同時開催されていることを報告し、法案を完全廃案に追い込んでいこうと呼びかけた。
こんな事がまかり通ったら憲法は紙切れだ!
次に民主党近藤正一衆議院議員、共産党志位和夫委員長、社民党吉田忠智党首、山本太郎参議院議員、学習院大学の青井未帆さん、新聞労連の日比野敏陽さん、5・3憲法集会実行委員会の鈴木伶子さん等が次々とあいさつを行った。
作家の落合恵子さんは東大全共闘の「力及ばずして倒れることを辞さないが,力を尽くさずして挫けることを拒否する」の言葉を引用し、「怒りましょう!」と訴えた。 平和フォーラム事務局長の藤本泰成さんは、特定秘密保護法案を、子どもが0店
の答案を親に見つからないように隠す行為と同じだとし、こんな事がまかり通ったら民主主義は成立しない、憲法は紙切れだ、こんな事は絶対許せない、と怒りの声をあげ、「情報は国民の財産だ。都合が悪いから隠すのでは民主主義は守れない」と語った。
集会宣言のあと、参加者は、国会への請願行進と、銀座へのデモ行進のふたつのコースに別れて行進を行った。
集会アピール
10月25日、安倍自公政権が国会に提出した「特定秘密保護法案」は、市民の知る権利、取材・報道の自由、表現の自由を侵害し、市民の生命と安全を脅かす稀代の悪法です。「秘密保護法案」は直ちに廃案にすべきです。
世論は、秘密保護法に反対であり、問題法案の慎重審議を求めています。しかし、安倍自公政権は、今国会で同法案の成立をはかろうと衆議院特別委員会での採決を強行し、来週にも参議院に送ろうとしています。
この法案は、政府が安全保障上重要と考える、外交、防衛、スパイ活動の防止、テロ防止にかかわる情報を「特定秘密」とし、それをもらした公務員や、それを知ろうとアクセスしようとするジャーナリストや市民に厳罰を科し、情報を隠そうとするものです。その指定の判断が正しいかどうかをチェックする第三者機関はありません。同法案の核心は、「何が秘密!それは秘密」というところにあります。膨大な数の情報が「秘密」とされれば、何が「秘密」かわからず、市民は「見ざる、聞かざる、言わざる」という状況に追い込まれます。
秘密保護法案の危険性は、「秘密」を管理する公務員、民間人が、管理するのにふさわしい人物か否か生活、信条、思想等の「適性評価調査」が行われ、公務員の中に政府が信頼できる公務員等か否かの明確な分断と選別を持ち込み、内部告発の回路も狭め、行政の情報の徹底的な隠蔽をはかろうとしていることです。公務員の分断と厳罰で情報を市民の目から隠そうとするのが同法です。
さらにこの法案は、国権の最高機関である国会の立法権や国政調査権、裁判所の司法権、内閣の行政権という三権分立制を根本から破壊し、内閣の行政権の圧倒的優位を確保しようとするものです。市民から選ばれた国会議員が「秘密」を政府の許可がなければ知ることはできません。また司法も重大な危機に直面します。裁判で裁判官、弁護士は秘密保護法違反事件において、その「秘密」を知る困難に直面し、適正な裁判を行うことができなくなります。それは、戦前・戦中の事例で明らかです。
戦争は秘密からはじまります。事実、秘密保護法案は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と一体のものとして提出されています。米日の軍事情報の共有とその「秘密」化、内閣の「大本営」化、安倍政権の集団的自衛権の追求というながれをみれば、同法が戦争準備法であることは疑いありません。
私たちは、憲法の国民主権、平和主義、基本的人権の保障という三大原理を否定し、知る権利、メディアの取材・報道の自由、表現の自由を侵害し、市民の生命、安全を脅かし、戦争を準備する秘密保護法の制定に反対します。
同法案の廃案のために全力をつくすことを宣言します。
2013年11月21日
STOP!「秘密保護法」11・21大集会 参加者一同
(コモンズ第66号2面)