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廣松哲学ノート -「共同主観性」の哲学と人間生態系の思想 高ヒット
2016/11/6 3:30 投稿者: com21 (記事一覧) [ 1228hit ]

「共同主観性」という概念を糸口として、廣松渉の哲学の諸論から学び、廣松いうところの人間生態系、地球生態系の保護・防衛のために、それと関説して、現代の「世界戦争」状況にかかわる思想的諸問題を考える。

【序章より(抜粋)】
 本書『廣松哲学ノート─「共同主観性」の哲学と人間生態系の思想』は、私が、二〇〇六~二〇〇八年にかけて刊行した、『廣松哲学と主権の現象学』三部作(社会評論社)を引き継ぎ、そのコンテクストを活かしながら、二一世紀中期に向かおうとする時代の振幅の中で、新たに論じなおしたものである。
 先の三部作が、実践問題に対する廣松理論のロジックの適用・応接を、書き方としていたのに対し、今回は、第六章以外は、廣松哲学のロジックそれ自体の分析・解析が主要な書き方となっている。
 本書で言う「共同主観性」とは、言語は社会的な意味をもって展開しているということである。
 幼児が犬を見て「モウモウ」と言っていたら、あれは「ワンワン」ですよと教えてあげるのが、社会的に形成された共同主観性を人は学びながら大人になるということにほかならない。そして、言語は、そうした意味がつらなって存在することで、まさに共同主観性として存立しているのである。その「共同主観性」という概念を糸口として、廣松哲学の諸論から学ぼうとするのが本書だ。
 また、サブタイトルにある「人間生態系の思想」と題した意味は、廣松いうところの人間生態系、地球生態系の保護・防衛のために、それと間接して、現代の「世界戦争」状況にかかわる思想的諸問題を考えて行こうという意図をもつものにほかならない。
 そういう問題意識から「廣松哲学」のノートを、作成したのが、本書ということになる。
(本書「序章●─廣松哲学と対話することの意味」より)

【目次】
  • 序章  廣松哲学と対話することの意味
  • 第一部  廣松哲学のプロブレマティーク(問題構制)
    • 第一章 疎外論批判
      はじめに/疎外論の意義/「疎外」概念の確認/疎外概念と人間の存在論的了解/
      『経済学・哲学草稿』の疎外論/「記述概念」としての「疎外」概念/
      価値の歴史比較主義的概念としての「疎外」─「疎外」概念の限界/
      〈疎外→回復〉図式の恣意性/疎外からの回復と神の自覚との同位性/
      ヘーゲル「精神現象学」が意味しているもの/
      廣松による疎外論批判と「自己否定」の論理
    • 第二章「四肢構造」論と共同主観性
      主客二元論(反映論)とアトミズムの機制 /レーニンの素朴実在論と主客二元論/
      マッハの要素主義/〈etwas mehrの論理〉=四肢構造論/
      「現相的所与」の無意味性と意味の契機/
      〈所与〉以上のあるもの(所識)としての「所与─所識」成態
      ─例「骨・皮・肉」(所与)だけでは「イケメン」(所識)とはいわない/
      〈地─図〉の分節態と「所与」の位置づけ/
      「所与─所識」「能知─能識」の構制─認識の与件をめぐる問題/
      共同現存在としての共同主観性/「内共同体的同一性」と「正義」/
      社会的〈価値〉のサンクションによる教育/役割・役柄の形成・分掌過程とその意味
    • 第三章 物象化論の機制
      物象化の定義/「物象化」とは何でないか/
      「当事者の日常的意識」と「学知的反省」の立場/
      共同主観的形象としての規範的拘束性/物象化の全体像と役割理論/
      分業の自然発生的状態/社会的諸関係の物象化と四肢構造/
      「役割─舞台」と四肢構造/
      まとめ①フュア・エス─フュア・ウンス機制と「物象」としての用在態/
      まとめ②「実在態」と「意義態」は「用在態」として現前する/
      物象化を対自化し役割分業の機制をこえてゆく方途として
  • 第二部  「ロシア・マルクス主義」批判と生態系の思想
    • 第四章 ロシア・マルクス主義の法則実在論と実体主義的科学観
      ・第一節 実体主義か、関係主義か
      レーニンの「絶対的真理論」と素朴実在論/
      古典力学の自然観を克服したマッハの先進性─広重徹の分析/
      マクスウェルからアインシュタインへ
      ・第二節 法則実在論批判
      ミーチンの機械論的因果論とマッハ・廣松の法則理解/物象化としての「法則」について/
      「法則の客観的実在性」という形而上学/因果律的な「歴史法則」なるものの成立機序/
      物象化された法則観に対する「生態学的モデル」とは何か/
      多価函数的決定論と形而上学的決定論との違い/
      ・第三節 相対論・量子論に学ぶ
      ニュートン古典力学への批判とマッハの時間・空間論/
      アインシュタイン相対性理論における観測結果の相対性/
      量子力学─ハイゼンベルクの「不確定性関係」/
      一義一価的決定論を否定した確率論的決定の考え方/
      ミーチンによるレーニン哲学の神学化/
      ・第四節 古典的科学主義の「唯一の前衛」幻想
      政敵抹殺の言説/
      スターリニストの「唯一の前衛」の論理一党独裁を基礎づけた「物質の哲学」/
      神学図式の「前衛─大衆」理論/スターリニスト哲学の陥穽
    • 第五章 環境破壊〈近代〉の超克にむけて
      ・第一節 人間生態系とは何か
      人間生態系の形成 人間生態系の遷移/自然的・社会的環境と〈表象的環境〉
      ・第二節 いわゆる「マルクス主義」とエコロジズム
      廣松のマルクス〈改釈〉と「人間と自然の一体化」論/
      生産力主義(物質主義)に彩られたスターリンの〈生産〉概念/
      ソ連生産力主義のイデオロギー性/自然生態の改造=生産力主義の破産/
      チェルノブイリ・クライシス/エンゲルスの法則実在論/
      ・第三節 廣松哲学と環境破壊〈近代〉の超克
      「近代産業社会と生態学的制約の忘失」 「生態学的危機とエントロピーの収支」/
      原発の生態学的マイナス価値/
      「人間生態系」概念の「人間中心主義」的限界と「土地倫理」という考え方
      ─「生態学的モデル」との相関として 人間生態系の価値規範に準拠した未来社会論
      【補論】国有化・計画経済の破産(無理)について
      マルクスの「国有化・中央計画経済」概念否定に関する廣松の説明/
      国有化・計画経済の破産(無理)とロシア・マルクス主義
    • 第六章 「第三次世界戦争」の時代と「協同のネットワーク」について
      ATTACフランスの声明/「非対称的戦争」 策源・根拠地および作戦線について/
      日米軍事同盟の変遷/「富裕層」の支配と「経済的徴兵制」/
      「戦争反対」の論理─「協同のネットワーク」について

哲学 / 新着 / 渋谷要 / 2016年~ )
参考URLhttps://goo.gl/ypQOKc
発行元社会評論社 (2016/10)
体 裁単行本: 248ページ
価 格2200円+税
著 者渋谷 要
ISBN978-4784518418
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