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  カテゴリー ‘格差と貧困’ のアーカイブ
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「引越社は使いません!」 関西からもブラック企業追放!告発運動in関西

引越社アリ地獄

関西からもブラック企業追放

「引越社は使いません!」告発運動in関西

 アリさんマークの引越社は、誠実そうなCMの様子とは裏腹に、従業員に引越し荷物破損の弁償金を背負わせ、過労死ラインも無視の長時間労働を強いるという奴隷的な労務管理など、悪辣な営業姿勢が明るみ出て、現在は轟々たる非難にさらされているのは周知の事実である。
引越社アリ地獄
 そんな過酷極まる労働条件の改善を訴え、昨年3月に社員が「プレカリアートユニオン」に加入したことを持って懲戒解雇を強行、朝礼でその理由を「罪状」として読み上げ、他の社員が続かないよう見せしめに社内に掲示する(右写真)という、まさに信じられない前近代的な行いのブラック企業が引越社だ。同社を関西でも提訴するために、7月31日、大阪市中央区にあるトークライブハウス「ロフトプラスワン WEST」で実情を訴える説明会が開催された。

■社員に「借金」を負わせて飼い殺し

 当日の参加者は約70人ほどが集まり、そのほとんどが30歳代の労働者で関心の高さが伝わった。この問題を映画化している土屋トカチ監督のプチ上映会も同時開催された。
 同社の一番の問題である「弁償システム」に参加者の関心は集中した。これは荷物や会社の車に傷をつけてしまったら、すべて社員が個人で弁償しなくてはいけないシステムで、そのために入社後、50万円を強制的に積み立てさせ、事故が発生すればそこから差し引く制度。
 それでも足りない場合は給与の天引きもしくは「友の会」から借金させるという、飼い殺しのような制度が続けられてきた。もう辞めたいのに会社に借金があるから辞められないという社員がほとんどだ。
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もんじゅも原発もいらない!戦争いやや!関西集会

若者の未来を奪う戦争と原発に怒りの声を

ノーモア原発震災!第二の「フクイチ」の前に原発ゼロを実現しよう!

10・1もんじゅも原発もいらない!戦争いやや!関西集会 10月1日「もんじゅも原発もいらない!戦争いやや!関西集会」が大阪市中央区のエル大阪で行われた。元裁判長で、現在は原発差し止め裁判などで中心的に活動する弁護士井戸謙一氏の「ノーモア原発震災」の講演で会はスタートした。

 井戸氏は講演の中で、(1) 活断層の集中している若狭の地で「もんじゅ」を含めて原発が集中している危険。関電が定めた基準値進藤は、大飯で865ガル、高浜で993ガルしかなく、これでは全く安全は保証されない(注※熊本震災では、その数値を軽く上回っていた)。
井戸謙一さん

井戸謙一さん

 (2) フクイチ後に裁判所の変化が。フクイチ前は2勝36敗であるが、フクイチ後は4勝6敗である。大津地裁で、現に動いている原発を司法の力で止めたことには大きな意義がある。
 (3) 原子力ムラの戦略を絶対に許すことは出来ない。原発は必ずゼロにすることが出来る。問題は、次の過酷事故に間に合うか否かである。などを指摘した。

 小林圭二(元京大原子炉実験所講師)氏は、「配管の非常に薄いもんじゅは、地震動に弱い構造で核暴走しやすく、プルトニウムを燃料に使うもんじゅが、過酷事故を起こせばフクイチどころではない」と強い警鐘を鳴らした。
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片山さつき議員が貧困者叩き 生存権への無知と執拗な敵視

生存権へのあまりの無知と執拗な貧者への敵視

生活保護は「生きるか死ぬか」の状態になるまで渡すな?!

貧者を執拗に敵視する片山さつき議員

貧者を執拗に敵視する片山さつき議員(自民党)

 8月18日、NHK「ニュース7(セブン)」で神奈川県の「かながわ子どもの貧困対策会議」が開いたイベントが紹介された。その時、母子家庭に育ち、母親のアルバイトでやっと生活している女子高生が実名で窮状を訴える様子も映し出された。
 彼女の家は経済的に貧しくクーラーもパソコンもない。キーボードだけを購入してパソコンの練習をしている。また経済的理由から進学の希望をあきらめたことなどが報道された。
 ところがこの映像をめぐってインターネット上で話題が沸騰し、女子高生へのバッシングが沸き起こったのである。彼女が外食をしたことや購入した画材が高額であること、DVDやゲーム機も持ちアニメグッズも購入し映画や演劇も鑑賞していることなどと徹底的に調べあげたうえ、「これでも貧困といえるのか」「NHKはねつ造報道をしている」といったバッシングが相次いだ。

 この女子高生バッシングはさらに広がった。20日にはあろうことかそこに与党自民党の参議院議員である片山さつき氏までもが加わり、ツイッターで「チケットやグッズ、ランチを節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょう」などと書き、そればかりか「週明けにNHKに説明をもとめ、皆さんにフィードバックさせていただきます」とまで言い出した。
 片山議員の貧困者への敵意はすさまじく、かつて「生活保護は生きるか死ぬかがもらうもの」と言ってのけたことがある。片山氏の一連の発言は、現行法の運用を貧困層は死なない程度に生かしておくだけで充分なものと理解しているかのようである。

 だが実際には日本国憲法第二十五条で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と保障されており(=生存権)、これを具体化した生活保護法では「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない(第三条)」と規定しているのだ。片山氏はそんなことも知らないのだろうか。
 DVDや映画の鑑賞など、現代社会では最低限の文化的生活の範疇だ。そんな母子家庭の子供の何気ない日常生活を、権力者たる与党の国会議員がムキになって攻撃している。その姿は議員である以前に、大人としてあまりにも悲しく滑稽で無責任な行動だ。
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大阪・「放課後の格差」をなくせ 子供の学びと食事を支えるNPO

子供の貧困_熱中症イラスト 父母とも長時間で過酷な非正規雇用を強いられ、それら厳しい経済状況で夜も孤独のままの子供たち…。
 アベノミクスと言う弱者攻撃の経済施策の下で、G20でも最下位の児童貧困率がわが国で更に拡大する。

 そんな中、大阪市東淀川区旧西淡路小学校教室跡地にこの子らの受け入れ施設<NPOあわじ寺子屋>が、元中学校教師である大賀喜子さん代表らの発意と熱意で開所した。
 小中高約90名が教室に集い、宿題や本読みなどに仲間で取り組む。近隣の協同会館アソシエでは、関西生コン関連の生コン輸送協や圧送協など諸団体が本部を置く。また同館では昨年立ち上げた地域と労働組合など28組織による交流連携組織「地域総研アソシエ」がここに参集する。

「大阪日日新聞」に活動が掲載された

「大阪日日新聞」で活動が報道された


 NPOあわじ寺子屋は、その教育関係組織の中心メンバーとして他のモデルとなる取り組みを先行させて来た。アソシエ関係者も日頃、子らへの本読みボランティアや図書活動に続き、子らに空調ほか設備を寄付。官庁窓口への陳情など連日の努力で7月内に据え付け工事も完了。連日、熱中症に倒れる子らへようやくの救いとなった。

 近隣の商店で子らへの食事支援を申し出てくれたお店<共栄飯店>で彼らが笑顔を取り戻す。「放課後の格差」解消を合言葉に関係者は走り出した。

(「コモンズ」99号の目次にもどる)

【国内短信】ブラック企業「社名公表」1社のみ/日本企業の税逃れ世界2位に/宮古島の自衛隊配備・市長が審議会に改竄要求

パワハラ■ブラック企業「社名」公表、
 1年でわずか1社のみ


 厚生労働省は昨年5月、労働基準法に違反する企業の公表基準を変更、一定の条件が揃えば行政指導だけでも、社名を発表するよう各労働局に通達した。しかし、公表されたのは1年でわずかに1社だけ。「これでは意味がない」という批判が出ている。
 批判に対して厚労省は、「もともと公表のハードルがそれなりに高い。幸か不幸か、そういう企業がなかったということです。ただ、これをもって『ブラック企業』が少ないとは考えていません」とコメントしている。
 厚労省は、企業名の公表よりも、労働基準監督署(労基署)の立ち入り基準の緩和で、長時間残業に対応する方針とのこと。労基署は昨年から、違法な残業が月100時間を超える従業員が1人でもいれば立ち入り調査していたが、年内に80時間に引き下げる予定だという。
 だがブラック企業の問題は長時間労働ばかりではない。低賃金や労働内容の過酷さ、名ばかり正社員や、名ばかり管理職、なにより非正規・派遣といった雇用形態にメスを入れる必要がある。そのためには労働者自身が雇用主に対抗する力を持たなくてはならない。一方で組合運動への規制や弾圧が進む中、残業時間を恩恵的に「監督」するだけでブラック企業根絶の実効があがるのだろうか、今後の推移を見守る必要があるだろう。
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書評】『孤立し漂流する社会を生きる私』―市民がつくる“憲活”レポート

市民がつくる“憲活”レポート

市民がつくる“憲活”レポート


『孤立し漂流する社会を生きる私』
日本消費者連盟/消費者・生活者9条の会 編

 ある労働組合の相談窓口で聞くと、相談に来る若い男性のほとんどは心を病んでいる。労災相談でもその大半は精神の障害だ。本書の一節にこんなくだりがある。
「職が定まらず、契約切れのたびに職探しとなれば、そりゃ人はうつになりますわね」。
「自分の経験も含めて話しますと、仕事がないと人前に出る必要がなくなりますわね。身だしなみを整える、家を片づけるというのは人前に出るからこそ。そもそも朝起きる必要がないから昼間も布団で過ごし、結果、夜眠れなくなる。で、夜には不安が襲ってくる。俺はこのまま人生を食いつぶしてしまうのか。そんな想念がぐるぐる回って、余計眠れなくなる・・・」

 安倍政権のもとで、憲法9条が空洞化され、日本は戦争ができる国になった。そして改憲がすぐ目の前の問題となった。ほんの数年前まで、こんな時代がこんなに早く来るとは想定できなかった。だが危機は9条だけではない。この20年、経済や企業活動のグローバル化が進む中で、格差の拡大、貧困層の増大が目に見えて進んだ。それと並行して、安心して平穏に生きる権利、健康で文化的な生活をする権利、労働者の働く権利、中小零細業者の生業の権利、教育を受ける権利、搾取と貧困・抑圧を受けない権利、地域でくらす権利、これらすべてがこわれてしまった。思想・信条の自由や知る権利が抑制され、社会は息苦しさが増している。
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「同一労働同一賃金」東京地裁長澤運輸判決のインパクト/佐藤隆(愛知連帯労組)

【緊急投稿】愛知連帯ユニオン・佐藤隆

長澤運輸判決「同一労働同一賃金」の画期的意義活かせ!

定年後再雇用労働者の賃金差別許さず!愛知3分会でも申し入れ

判決を報じるニュース映像

判決を報じるニュース映像

 5月13日東京地裁で、全日建関東支部・長澤運輸分会3名のバラセメント運転手に対して、定年後再雇用者での正社員との賃金差別は「労働契約法20条」違反して無効とし、差額の支払いを命じるという画期的な判決がありました。
事件詳細 □連帯労組声明 □弁護団声明

 これを受けて、愛知連帯ユニオンでは5月14日―15日、団体交渉と書面で、金川運輸、大和高速運輸、中野運送の3分会で、近く定年を迎える組合員や再雇用中の組合員について、定年前の賃金の維持を求める申し入れを行いました。

■長澤運輸判決の意義

 5月13日の判決は、有期雇用労働者と無期雇用労働者の労働条件の不合理な差別を禁じる労働契約法20条(2013年4月施行)が定年後再雇用の労働者にも適用されるという画期的な判断をしています。「同一労働同一賃金」の議論がにわかに社会的な論議となっている中、大きな問題提起になっています。
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パナマ文書 丸紅・伊藤忠ら国内企業・個人も税金逃れに加担

<パナマ文書>に載る企業と首脳

世界を揺るがす史上最大のリークか 日本企業と個人の名も670件余

アイスランド・レイキャビクでの抗議集会

アイスランド・レイキャビクでの抗議集会


 租税回避地・タックスヘイブンへの法人設立を代行するパナマ法律事務所(モサック・フォンセカ社)から過去40年分の金融取引に関する内部文書が流出したと「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が発表し、世界を揺るがせている。

 発表によると、同社には約21万5000社と1万4153人が顧客となっており、ロシアのプーチン大統領、アルゼンチンのマクリ大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、アイスランドのグンロイグソン首相、中国の習近平主席、イギリスのキャメロン首相、イラクのアラウィ元首相、サウジアラビアのサルマン国王、カタールのハマド・ビン・ハリーファ元首長とハマド・ビン・ジャシム元首相ら、極めて高位の政治指導者を含め143人の政治家とその家族・側近の名前がみられ、莫大な資産を隠す目的で利用していた疑いがあると指摘されている。
アイスランド・グンロイグソン首相 パナマ文書で辞任

グンロイグソン首相


 各国政府は4月4日、早速に調査を開始した。4月5日には、アイスランドのグンロイグソン首相が辞任し「パナマ文書」報道による最初の主要人物の辞任となった。
 これら租税回避地・タックスヘイブンに何ら実態のないペーパーカンパニー(幽霊会社)を設立し、自国から巨額の資金を回して資産を隠す行為は、未だ「法律違反」にはなっていないが、このような行為は脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)、麻薬取引、その他の犯罪の温床となっており、それらを助長する脱法行為である。とりわけ政治家にあっては、「税金逃れ」というモラルが問われる行為であり、国民の99%に新自由主義政策で「痛み」を強制しながら、自分たち1%だけはそれを逃れて巨額の資産を隠しているということだ。
 だが、今や歴史上最大の機密漏えい(リーク)だとして、抗議の声やデモが広がり、話題の中心となっている各国論調に反し、わが国報道機関はほとんどが黙殺に近い形をとっている。
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民主主義とは何か?(下)/本山美彦(京都大学名誉教授)

前90号(上)からの続きです。

ユダヤ人の中東パレスチナ侵入が世界大乱の始まり

アーサー・バルフォア

アーサー・バルフォア

 3つ目の裏切り。レジュメにございます第一次世界大戦中の1917年バルフォア宣言。これが正直一番許せないのであります。
 初代のイスラエルの大統領になった男、この男が火薬の発明に成功するんですね。煙の出ない無煙を発明したら巨万の富を得ます。これがバルフォアという男爵(英国外相)に取り入りまして、ユダヤ人の居住地域をパレスチナに作って差し上げる。その時に全世界から募金を募りました。あの有名な人たちも、名前はちょっと止めておきますけども。1人だけ言わせて下さい。アインシュタインです。原爆を自分で作って、原爆の発明者が何が平和運動だと、私なんか腹が立って仕方がないんですけどね。
ハイム・ヴァイツマン

ハイム・ヴァイツマン


 バルフォア宣言というような形で、この人は天下の極悪非道の男なので、名前は出させていただきます。 ハイム・アズリエリ・ヴァイツマンという男であります。初代イスラエルの大統領になっております。こういった3枚舌外交というのでしょうか、そういったものが出てきまして中東はガタガタになってきた、という時です。
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差別や貧困のない世界へ向け労働者の闘いを復権させよう/M・K(水道検針労組)

投稿:水道検針労組 M・Kさん
水道検針
 貧困と社会的格差はますます広がっています。私の所属する組合の水道検針の職場も例外ではなく「個人事業主」として扱われ(偽装請負い)、一切の諸権利がありません。
 大衆的団体交渉を行う中、請負いから労働協約へ転換させ、労働保険や年次有給休暇などを獲得してきました。しかし2008年より入札制度が導入され、他同業者と競争させられ、都水道局と各委託会社の契約単価は毎年の様に値下げとなり、労働条件の悪化を招いています。この様に職場末端にまで押し寄せる新自由主義の市場競争と個人主義の分断に抗し、労働者の連帯を形成してゆく希望の年にしていきましょう。

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トマ・ピケティの分析を検証する(2)/佐藤隆(愛知連帯ユニオン)

前号からのつづき
階級~大衆闘争こそ格差解消への道
4、格差形成の歴史的推移
   
 先進国の上位10%の占める所得占有率や資本所有率の歴史的推移をみると、2010年代の世界的な富の格差は、1900-1910年のヨーロッパの富の格差に匹敵するという。

 (1)20世紀初頭まで上流が富を独占してきたが、(2)1914~1945年の第1次世界大戦―ボルシェビキ革命―大恐慌―第2次世界大戦という経緯とその後の新しい税制と資本統制を経て1950年代には資本の分配率は史上最低になった。
 しかし、その後、(3)1979年サッチャーと1980年レーガンの勝利、1989年ソヴィエト崩壊、1990年代金融グローバリゼーションと規制緩和が資本比率の増大を加速し、再び格差が20世紀初頭に迫る勢いで拡大しているという。

 ピケティは、(2)の時期の1955年にサイモン・クズネッツが「資本主義の段階が進むと所得格差は釣鐘型に自動的に下がる」と主張したのと同じ統計手法を使って今日の研究を進めた。その結果、1913~1948年に米国の所得所有格差は急激に下がっていたのであるが、1980年以降、逆に格差がU字型に再び広がる過程に入っていることが判明したのであった。以下の資料を参照されたい。
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トマ・ピケティの分析を検証する(1)/佐藤隆(愛知連帯ユニオン)

-マルクス経済学からみた 『21世紀の資本』


1、国家統計、財務諸表を集約して近現代資本主義の実相を明らかにする

トマ・ピケティ

トマ・ピケティ

 トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房 以下、「この本」とする、資料引用は『21世紀の資本』オンラインページより)は、現在利用できる国家統計、財務諸表を集約して近現代の資本主義の実相を明らかにしている。
 特に、国家の徴税資料(世界トップ所得データベースWTID)を利用しているので、労働組合のボーナス交渉ではお馴染みの「決算書」(損益計算書と貸借対照表)を連想すれば、この本の「資産」や「労働所得」、「収益」と言った概念は解りやすいのではないかと思う。マルクス経済学の「資本」、「賃金」、「利潤」といった概念とはダブったり、ブレたりするものであるが、現実に入手可能なデータがこの本のような概念で整理され、現実の経済過程がそのような範疇で処理されているのであるから、ピケティの行なったデータ処理は肯定されていいと思う。

 この本の「はじめに」の「データなき論争」「理論的概念的な枠組み」と「おわりに」の「最も恵まれない人々の利益」を読むと、1971年生まれのピケティの立ち位置がわかる。ベルリンの壁崩壊を18歳で迎えた彼にとって、崩壊した共産主義独裁政権にいささかの親近感もノスタルジーもなかったという。経済学的には、古いマルキストたちの主張は現実の検証に背をむけたイデオロギー的なものに映ったようだ。しかし、同時に彼は、体制を擁護する側の経済学者たちの主張も、現実の検証に背を向けてイデオロギー的に偏向した内輪の議論に没頭していると思えたようだ。
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